過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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158: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:11:41.59 ID:OOOkqekxo
「突然お邪魔してすみません」

 椎名さんの穏やかな声で時間が再び流れだした。そして丁寧にお辞儀をして自己紹介した。彼女の名前を聞くと岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖は2人して同時に顔を見合わせた。そして考えこむ。

「あのう、わたし……お邪魔でしたか?」

 椎名さんが申し訳なさそうに尋ねる。すると牧瀬紅莉栖が慌てて弁明した。

「い、いえいえいえ! 突然知り合いを連れてきたものだから少し驚いちゃって……。な、なにしろこの娘は家とアルバイト先を往復するだけのぼっち……じゃなくて、仕事人間ですから、あはははは」

 むむっ。
 牧瀬紅莉栖の物言いになぜか無性に腹が立った。

「うふふ、それなら良かったです」

「あ、あのう。椎名さん、失礼ですが年齢はおいくつで……」

 岡部倫太郎が恐る恐るという風に言った。

「おい、それはさすがに失礼だろ!」

 牧瀬紅莉栖が彼の耳元で小さく怒鳴る。

「あはは、構わないですよ。30半ばとだけ言っておきますね」

 本人はそう言っているけれど20台後半でも全然おかしくない。若々しい、というより外見だけみれば少し幼い印象を受けるかもしれない。けれども、にじみ出る包容力だとか、醸し出す雰囲気は歳相応──いや、実際の年齢よりも落ち着いたものを感じさせた。
 椎名さんの答えを聞いて岡部倫太郎は何か納得したようだった。続けて牧瀬紅莉栖に何か耳打ちをする。何を喋ったのか聞き取ることができなかったが、それを聞いて牧瀬紅莉栖も汲みとったようだ。
 むー。あたしに隠れて内緒話?
 少しだけ胸がもやもやした。

「それはそうと、夕食の材料を買ってきてあるんです。多めに買ってきてあるから皆さんの分もありますよ。どうぞ食べてくださいね」

「あ、台所はこっちね」

 そう言ってキッチンまで案内した。

「よーし。じゃあ腕によりをかけて作っちゃうね〜」

 椎名さんはそう言ってウィンクをした。あたしは期待の意味も込めてサムズアップで返事する。


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