過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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165: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/08(木) 13:25:07.07 ID:OOOkqekxo



 その後も椎名さんはちょくちょくうちに寄っては料理を作ってくれた。皆で料理をつつきながら談笑するその時間は何ものにも代えがたい時間だ。
 牧瀬紅莉栖の作ったアップルパイに仮死状態にされそうになった時にはさすがにムカっと来たけど。あたしと岡部倫太郎がそのことを責め立てると牧瀬紅莉栖はムキになって突っかかってきたり。
 お返しに、あたしが持って帰ってきた唐揚げを牧瀬紅莉栖が口に含んだ際に「カエルの味はどう?」って聞いてみたらあいつ、青ざめてたっけ。
 そんな状況でも椎名さんが絶えずニコニコ笑ってるのは印象的だった。言い過ぎかもしれないけれど、まるですべてを慈しむかのような──
 楽しい日々だった。

──けれどいつまでも同じような時間は続かなかったんだ。

 転機が訪れたのは証券取引による資金作りに悪戦苦闘する牧瀬紅莉栖に対して、椎名さんが資金提供を申し出た日だろうか。最初は牧瀬紅莉栖も断ってたんだけど、生活の水準が中々上がらないし、思うように利益を作り出せない彼女も焦ってたんだろう。ついには折れて、良心的な金利──ほぼ無利子と言ってもいいほど──での資金提供を受けることにしたらしい。
 その申し出はあたしたちの生活を大きく変えた。
 やっぱり元手があったほうが断然有利らしく、彼女はみるみるうちに利益を生み出していった。元々専門は経済ではないと言っていたが、2010年までの大まかな経済の流れを知っているのと知っていないのではまるで違うようだ。時には読み──というかあたしたちにとっては歴史か──が外れて失敗することはあったけども、潤沢な資産のおかげで致命的なダメージは負わずにいたみたい。
 気づけば1年後には、すでにIBN5100が何台も購入できるほどのお金を手にしていた。

──そこまでは良かった。


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