過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/08(木) 13:47:23.89 ID:OOOkqekxo
「と、友達と会えなくなるのは、誰だって悲しいじゃん……」
そう、あたしは嫌だった。牧瀬紅莉栖はあたしの友達だ。少し気が強すぎるところがあるけど、まっすぐで、いつも自信があって、凛としている。ある種の憧れのようなものもあったのかもしれない。
「ごめんなさい、でももう決めてしまったの。私は私の可能性にかけてみる」
「ここじゃだめなの? みんながいるこの場所じゃできないの?」
「できないことはないけれど、それだときっと私は決断できなくなる」
決断……?
「思い出を消してしまうこと、躊躇ってしまうかもしれない。それは嫌だから」
思い出が消える? さっきから何を言ってるのか全くわからない。
「何言ってんのかわかんないよ!」
「今はまだ、分からなくていい。きっと分かる時が来るから」
そう言って1人悲しそうな笑みを浮かべて──
「ううん、分からない方が、幸せかもしれない……」
そう付け加えた。
あたしには到底理解できない何かを抱えているのだけは分かった。けれどどうすることもできない。何を思い悩んでいるのか、想像もつかないあたしに、彼女の気持ちを理解するのは到底ムリだった。
ただ拳を震わせるあたしをふわりと暖かさが包んだ。華奢だけど、とても大きくてほっとするような腕に抱かれて。
「ごめんなさい。でも、鈴羽には自分の幸せを手にする権利がある」
「…………」
「鈴羽、約束よ。あんたは、幸せになりなさい」
なぜかその一言で、あたしの涙腺は崩れて散った。止めどなく流れる涙が彼女の白いシャツを濡らした。
牧瀬紅莉栖の作った朝食は塩っぱくてまずかった。
やっぱりあたしは弱い人間だった。どうしようもなく、弱かった。
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