過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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◆gzM5cp9IaQ
[saga]
2015/10/09(金) 17:45:50.33 ID:EXR5HU4So
どう答えるべきか、迷った。しばらく迷ったまま電話機を見つめていると、相手のため息が漏れる音が受話器を通じて聞こえてくる。
「分かった。はっきり言わなかった私も悪いんだから、あんただけを責めるのはお門違いよね……」
「……なに?」
何を言っているんだ、こいつは。
予想に反した回答が帰ってきたことでわずかに戸惑った。
「近々日本に行くから」
「なんだと? いきなりか?」
「もちろんある程度片付けなきゃいけないタスクが残ってるからそれを処理してからだけど、できるだけ早くいけるようにする」
「いやいや、わざわざ来るというのか?」
「会って話したいことがあるから」
「お、おい──」
そう言うと、じゃあ、と言って紅莉栖は電話を切った。ツーツー、とビジートーンがひたすら俺の耳に鳴り響く。受話器を置き、動揺した心を悟られぬよう鈴羽の方を見ると鈴羽はテレビを興味津々に見つめていた。やがて俺の視線に気づくとを訝しげな表情をして「あー、電話切ってるー! 後でまた変わってっつったじゃーん!」と不満を垂れた。
「あ、ああ、すまない……」
「ってか、随分短かったね、相変わらずの口調で怒らせちゃった?」
「いや、なに、仕事が忙しいようでな。あまり時間も無いと言っていた」
「ふーん、そっかー。じゃあ悪いことしちゃったかな」
「それと……近々日本に来るらしい……いつになるかはわからんがな……」
「えー? そうなのー!? そっかー。久しぶりに会えるんだね!」
久方ぶりに再会できると知って、鈴羽は屈託のない笑顔を浮かべた。そんな鈴羽の様子とは逆に、俺の心は揺らめいていた。電話越しの紅莉栖の棘を感じさせる声色が、妙に気がかりだった。
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