過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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72: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:42:50.41 ID:g0/EBSOFo
 俺は鈴羽を探すため、搬送されたであろう秋葉周辺の病院を訪れていた。病院の玄関をくぐったところで1人考える。
 一体どうやって探りを入れようか……。
 紅莉栖からは鈴羽との関わりがあることを悟られないように探せ、と釘を刺されていたし、もちろん”昨日ラジ館前で倒れていた女の知り合いだ”などといっておおっぴらに関係性をアピールすることがまずいということは分かっていた。故にどのような方法で接触するか、考えあぐねていた。
 必死に考えた結果、俺が取った行動は、ひとまず頭痛がするということで検査してもらうことだった。その後、迷ったふりをして病棟をうろついてみる。我ながら機転の利いたいい方法だ、そう思った。
 しかしそれは徒労に終わることになる。
以下略



73: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:45:12.78 ID:g0/EBSOFo
「ふむん……。すでに事故の重要参考人として考えられてる可能性もなくはないわね」

「だがそうなると、接触も難しくなるな……」

「あの状態から察するに病院で治療を受け続けている可能性は高いんだろうけど……」
以下略



74: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:46:12.88 ID:g0/EBSOFo
「あ、お腹空いてると思って買っておいた」

 紅莉栖はそう言って、横にちょこんと置かれている紙袋から2つの箱を出し、その1つを俺に差し出してきた。

「なんだこれは」
以下略



75: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:47:13.96 ID:g0/EBSOFo
「…………」

 一足先に食べ終えた俺は、ふと抱いていた疑問を口に出した。
 今朝からずっと胸に秘めていた思いだ。

以下略



76: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:48:33.37 ID:g0/EBSOFo
「やっぱり、何も覚えてないのね」

「ああ……」

「オーケー。じゃあ質問に質問で返すようで悪いけど、こっちも1つだけ聞かせて」
以下略



77: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:49:25.06 ID:g0/EBSOFo
 6時、だと? 6時といえば俺はこいつと買い出しに……。
 そう、確かに俺はその後買い出しを終え──
 開発評議会の名の下にラボメンを招集──
 そして突然──
 とその時、頭に鋭い痛みが走り、思わず目を伏せる。
以下略



78: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:50:40.42 ID:g0/EBSOFo
「”俺は未来からタイムリープしてきた”ってね」

「なっ!?」

 使ったというのか!? タイムリープマシンを!? 俺が!?
以下略



79: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:51:22.87 ID:g0/EBSOFo
「そしてあんたはこうも言った」

 ドクン──
 心臓が一回大きく跳ねて──
 紅莉栖の声が遠く感じる。嫌な予感がする。
以下略



80: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:52:16.92 ID:g0/EBSOFo
「はぁっ……はぁっ……」

 口内に残る酸っぱさと苦さ。焼けつくような胃の中。
 ぶちまけられた内容物を見てまた胸が焼けるように熱くなった。
 まるで毒物を体から吐き出すかのような強烈な反応。
以下略



81: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:53:57.70 ID:g0/EBSOFo
「今はもう、やめましょ。とにかくあんたや私、阿万音さん。私達は未来を変えるためにタイムトラベルしたの」

 紅莉栖の優しい声が俺の体を包み込んでくれた。

「IBN5100を使って世界線を変える。今はそれだけ理解してればいいわ」
以下略



82: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/10/01(木) 16:55:50.71 ID:g0/EBSOFo
 何もないこのがらんどうな部屋で俺は寝っ転がり、思いを巡らせる。
 8月13日の夜以降のことを思い出そうとするが、俺の脳は頑なに拒否したままだ。まるで記憶の引き出しの取っ手を全てひっぺがしてしまったかのようだ。だが13日以前の記憶はある。

 激突した人工衛星──タイムマシン
 @ちゃんねるに降臨した未来人──ジョン・タイター
以下略



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