過去ログ - ?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」
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388:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:12:14.76 ID:rSFTIGAzO
「……で、なんて答えたんだ?」

「…………」

 そう問いかけた途端、咲は俯いてしまった。

 基本的に内向的な咲は京太郎以外に親しい男子の友達はいない。そんな彼女がいきなりクラスで一番人気のある男子に告白されては、こうなってしまうのも無理からぬことだろう。と思っていた京太郎だったから、次の咲の言葉に三度目を丸くした。

「……逃げてきちゃった」

「は?」

「だからぁ! 恥ずかしくなって何も言わずに逃げてきちゃったの!」

 顔を真っ赤にしてそう言う咲の目尻にはうっすらと涙が浮かんでいた。

 あちゃあ、と京太郎は頭を抱える。好きな女の子に一世一代の覚悟で告白したというのに答えも聞けぬまま目の前で逃げられてしまっては、流石に〇〇に同情してしまう。と同時に、内心で微かにホッとしていることに京太郎自身は気がついていない。

「そりゃお前が悪いだろ。いくら男が苦手っつっても、向こうだって腹括って告白してるんだぜ」

「うぅ……それは分かってるけど、緊張と恥ずかしさでおかしくなりそうだったんだもん……」

「まぁ返事はきちんとしなくちゃダメだぞ」

「京ちゃんついてきてよぉ」

「いやそこに俺が行っても邪魔なだけだろう」

 冷静な京太郎のつっこみに、再び咲が俯いてしまった。出来れば力になってやりたいが、この件に関して京太郎が協力してやれることはないと言っていい。過去何度か告白の経験がある京太郎には、〇〇という少年がどれだけ緊張したのかなどが手に取るように分かるのだ。男として、その覚悟を無碍にすることは出来ない。

 と、そこで京太郎は一番重要なことを忘れていた。

 咲、彼女自身が彼と付き合う気があるのかということだ。

「なあ咲。お前は〇〇と付き合う気はあるのか?」

「ふぇ?」

 その問いかけに、咲は思わず顔を上げる。

 そもそも咲に彼と付き合う気がないというのならこの話はここで終わりである。両者が互いに想い合っていなければ、決して交際には発展しないのだから。


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