過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2015/10/08(木) 11:37:14.08 ID:D5Z8hfqq0
式場の鐘が鳴る。
その日、主役の2人は人々に祝福され、永遠の愛を誓い合った。
王子「私は姫君と共に、この国を守っていくと誓おう!」
ワーワー
勇者(王子……)
夫婦の契を結んだ2人を見つめる。
我が国の若き人格者である王子に、それを支える淑やかな姫君。誰から見ても、似合いの夫婦だ。
勇者(私が貴方を想っていたことは、知らなかったでしょうね)
この秘密は墓場まで持っていく。
人々の英雄たる勇者が王子に片思いしていたなど、勇者一族にあってはならぬスキャンダルだ。
勇者「………」
精霊「…勇者、そろそろ式はお開きみたいだよ」
勇者「あ…うん。帰ろうか」
精霊(ボーッと王子達を見てた…やっぱり勇者、まだ王子のこと……)
そして帰り道でも、勇者は何かを考え込んでいた。
勇者「………」
精霊(…元気ないなぁ)
精霊「それにしても魔王討伐から結婚するまで、早かったね〜」
勇者「……そうだね」
精霊(う。やっぱまだ失恋引きずってるのかなぁ?)
精霊「ゆ、勇者が頑張って戦ってる間から、式の準備始めてたのかな〜。はは、呑気な連中だなぁ」
勇者「……」
精霊「派手な式だったよね〜。特に……」
勇者「……お姫様の、ドレス」
精霊「………え?」
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