過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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649: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2015/12/09(水) 01:28:30.89 ID:S8cQMjhV0
◇◇◇◆◆◆















 私はその封筒を開けた。
 開けて、私の心は不幸のどん底に陥ったと言ってもいい。興味が無いわけでもなかった、自分の恋というものに。
 今日の行為はその恋を捨てることになるのだから見ても構わないだろうと、そんなことを思って開いた。
 母上が私に助言と手渡してくれたその紙、恋に悩んだときに開くと良いという御呪い。
 弟との繋がりを確保するために体を重ねた私に、今さら恋の道などあるわけがない。でも、母上が残してくれた言葉には興味があった。
 だから開いた。
 新しく始まる私とカムイの関係には不必要な重しだと、切り捨てるために。

「なんで、なんでそうなるんだ……」

 書かれていたことを見て、私の頭は多分止まってしまったのかもしれない。
 一度手に入れたはずの弟。使う側とつかわれる側、歪んだ親愛、いろいろな例えで関係を表そうと考えていた矢先に、それが無意味なことだと突きつけられる。
 先ほどまで情事に耽っていた汚れた体から力が完全に抜け落ちて、膝からペタリと座り込んでしまう。
 自然と涙があふれてきた。カムイと姉弟になるために切り捨ててきた物や、カムイを壊してしまったこと、そしてある種の恋に似た心を切り捨てたことも、すべてが的外れだったと告げられた。

「あはっ、あははははははははは」

 笑い声しか出なかった。
 カムイが静かに寝息を立てている横で、私は大きく笑う。
 結局、私が立っていた場所はあの暗夜の王女とまるで変わらなかった。実の家族という幻想を追いかけて、結局私は狂ってしまっただけだったようだ。
 残ったのはカムイの性欲処理を一任すると言った浅ましく、淫乱なメスブタが一匹。
 そして、私は記された真実を受け入れることがもうできないらしい。
 本当の姉弟としての繋がりという努力の報いを望み、結果として狂い歪んだ姉弟の形を手にした私は、その紙をくしゃくしゃにして蝋燭の炎に触れさせる。
 わずかな時間で燃え移った炎は、瞬く間に封筒をを焼き尽くしていく。
 小皿の上で燃え盛る真実が消え去るのを静かに見守った。
 






 これは違う世界の話




 ヒノカが狂い悶えた先に、歪んだ絆を手に入れた話




 If(もしも)の一つ
 



 カムイ×ヒノカ番外 おわり



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