過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2015/12/24(木) 20:49:17.58 ID:l3VnDCHF0
◇◇◇◆◆◆
「どうですか?」
「……これはダメですね」
フローラと主君であるカムイの言葉をぼんやり聞きながら、彼女は気落ちしていた。
昨日と変わらないリリスの自室の中には、フローラとカムイの他にも二人の姿があった。ジョーカーとフェリシアである。フェリシアが持った水の入ったバケツが静かに置かれる。
注意を払って置かれたその静かな音でさえ、今のリリスの頭の中を揺らすくらいであった。
「ううっ、カムイ様……私」
「そんな体で動いたらだめですよぉ、リリスさん」
「まったく、昨日まではしゃいでたリリスがいきなり風邪を引くなんてな」
「昨日までいろいろと準備していたから、終わったことで気抜けしたのかもしれないわね」
三者三様に思ったことを述べる。リリスは風邪を引いた、今朝起きて皆の前に顔を出した時、その真っ赤なトマトのような顔であったこと、そしてどこか覚束ない足取りだったこともあって、子供が見ても分かるくらいに彼女は病人であったのだ。
そこからは電光石火の如くベッドへと運ばれ、今に至っている。
「ごめんなさい、私、いろいろと皆さんに迷惑を、掛けてしまって」
「気にしないでください。今日のピエリさんの誕生日会ですけど……」
「はい……」
カムイの口からこぼれた誕生日会という言葉に、リリスの心が萎んでいく。せっかくの準備も一瞬で水泡に帰したことを理解しなくてはいけなくなったからだ。だけど、それは自分だけが背負うものだとリリスは考えている。ジョーカーもフェリシアもフローラも、そしてカムイもピエリの誕生日に向けて何かしら準備をしていたのは知っている。自分の体調管理の至らなさで、みんなの準備を台無しにするのを、リリスは容認できなかった。
「私は、ここで休んでますから、みなさんはピエリさんの誕生日会に行ってきてください」
「何言ってやがる、病人を置いていけるほど……」
「元々、今日はみんな城塞を空けるからと、何人か王城の使用人さんが来てくれる予定でしたから、大丈夫ですよ」
「それはそうだが」
「リリスさん一人だけ残して、私たちだけでピエリさんの誕生日会に行くなんて」
ジョーカーとフェリシアの言うことはリリスを思ってのことで、その気遣いはとてもうれしいものだった。でも、うれしいからこそ、できれば皆には誕生日会に出席してほしいと思っている。
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