過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/02/25(木) 23:06:41.36 ID:/mUgx/Fs0
◇◆◇◆◇
「ふふっ、やっぱり面白い子たちね」
後ろから聞こえる会話に舌鼓を打ちつつ斧を構えて、間髪入れずに一気にギュンターへ攻撃を開始する。上空を取られているということがどういうことなのか、ギュンターは察している。察しているからこそ、攻撃を受け切ることに専念し始める。カミラの攻撃は勢いを衰えさせることなく続いて行くが、それを見据える目にはおどろおどろしい怨念が立ち込めている気概すらあった。
「ギュンター、あなた王族や貴族が死ぬほど嫌いだったのね」
「ああ、お前たちのように自身の悦楽を優先するような者たちには虫唾が走る。理不尽なことを強要することこそが生きる理由だと思っているようなお前達にはな」
「……わからないわ」
「何がだ」
「いいえ、ギュンターあなたが王族や貴族を嫌うことに関してはわからないわけじゃないの」
「自身は汚れていると認めるというのか?」
「ええ、一度は自分可愛さにカムイを殺そうとした私に清らかな血が流れているわけないもの。だから私にはあの子の姉である資格はないのかもしれないわ。でも、カムイは私を許してくれた、だから私はあの子を守るために戦う」
「ほう、調子のいいことだ」
「ええ、本当にね。だけど、幼い頃からカムイと一緒に過ごしてきたあなたから見れば、城塞で一緒に暮らしてきたあの子たちは、あなたの嫌う貴族や王族の類ではないはずよ」
カミラの言葉にギュンターは何を言い返すでもなく、大きく槍を振って距離を取ると、先ほどまでまったく命令を理解していなかった透魔兵が集まり始めてくる。それは確実にギュンターを守るようにして集まっている。そしてギュンターに対する違和感は現実的な変化となった。
「ふん、やはり人間とはこのような生物ということか。思いの質が低いから、最初の形を忘れそこに従事ようとする。ことごとく志を持たない生物であるということだな」
ギュンターの発言にしては、それはいささかおかしなものに感じられた。感じられたからこそカミラはその正体におおよその察しがついた。
「……そう、あなたが元凶さんね。人の体を借りてあいさつに来るなんて、マナーがなってないわ」
「このような先の短い老体を使っているのだ。やはりカムイは我が野望の邪魔にしかならぬ存在、いとも簡単に人を紐解いてしまう。お前のような尻軽ならばいざ知らず、心の淵に眠っていた憎悪を思い出したこの老い耄れさえもな」
「ふふっ、カムイを褒めてもらえてるようで悪い気はしないわ。さっさとギュンターの中から出ていったらどうかしら、挨拶ならもう済んだでしょう?」
「むろんそのつもりだ、憎悪だけを残してギュンターの中から去ってやろう、もはやこの老いぼれに利用価値はない、最後くらいはその本能に準じて死なせてやる。はーっはっはっは」
ギュンターの声帯から出るとは思えない、おぞましい声が放たれ、ギュンターの体を這いまわるようにして紫の炎が靡き始める。それは憎悪という感情を知覚できるようにしたら、そうなるだろうという色であった。
「そうやって、何人もの人間を憎悪に染めてきたというのね」
『染め上げた? 違うな……解放しているだけだ。抑えなければならない苦しみから――』
「冗談も休み休み言ってください」
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