過去ログ - この世の全ては『時の運』で廻っている
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/10/02(金) 22:39:59.63 ID:9di6AgIy0
「この世の中に、実力なんてものは存在しないんだ!」

昼休みだというのに静まり返るこの教室、俺のその声はとてもよく響いた。

うちのクラスは、どうも昼休み中の活気が薄い、いつも。
たぶんそれは、元気があってクラスを盛り上げる的な役割を担う人たちが、教室で昼ごはんを食べる習慣を持たないからだ。

だが、それにしても、今日は何故かとても静かだった。音という音といえば、時折風が窓を叩く、そんなものだけ。

だから俺のその言葉はとてもよく響いた。突然の思いつきだった。とりあえず言ってみたくなったのだ。

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/10/02(金) 22:42:51.10 ID:9di6AgIy0
「はぁ?」

俺の向かいで、弁当をつついている彼は眉根を寄せる。
何をいきなり言い出すんだこいつは、アホか。そう言いたげな表情だった。アホは余計だ。

以下略



3:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 22:50:23.17 ID:9di6AgIy0
「何言ってんだよ」

面倒くさそうに彼は言った。

「いや、この世の中には実力なんてものは存在してなくてさ、全てが運で回っていると俺はそう悟った」
以下略



4:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 22:57:14.27 ID:9di6AgIy0
「例えば……、性格も良くてスポーツ万能で頭もいいイケメンが『何でお前彼女作らないの?』って、無神経なこと聞いてきたらお前どうする?」

「それ、性格良くないじゃん」

「殺したくなるでしょうが!」
以下略



5:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:07:37.14 ID:9di6AgIy0
「わかるか?」

「わからん」

「イケメンで生まれれてくるかどうかは、運任せじゃん?」
以下略



6:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:18:39.55 ID:9di6AgIy0
「性格がいい親に育てられた子供と、性格が悪い親に育てられた子供、どっちが性格よくなる?」

「そんなの、場合によるだろ」

彼は視線を窓の向こうにやった。鳥が飛んでいた。カラス。
以下略



7:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:22:31.58 ID:9di6AgIy0

「じゃあ次、運動神経が良いとか、頭が良いとか、そういうのも運だろ?」

「お前何が言いたいんだよ」

以下略



8:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:27:32.63 ID:9di6AgIy0
「つまり、世間一般的に言われる『実力』ってヤツはさ、その人が実際に持っているチカラなわけじゃん?」

「うん」

「それでさ。そのチカラを手に入れられるかどうかは運だろ?」
以下略



9:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:36:40.33 ID:9di6AgIy0

「性格とか、友達や家族の励ましとか、周りの応援とか、努力するやる気がちょうど良いタイミングで得られるかどうかとか。それらの要因が、全てうまい具合に重なった結果努力ができるわけじゃん? つまり、運だ!」

「……」

以下略



10:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:39:24.66 ID:9di6AgIy0

「そう、そういうこと。彼女ができるのも、ちょうど良い自分に見合った女の子が、うまい具合に自分の前に現れるかどうかで決まる。いくら自分が彼女を作ろうと頑張っても、そういう女の子が現れるかどうかは、運だ。つまり、大して頑張らなくても、運がいい奴には彼女は出来る」

俺は力説する、この世の中の理不尽を。


11:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:46:22.89 ID:9di6AgIy0

「この世の中は運だ。だから、俺はもう努力をしないことにした。こうして、俺がこの世界の真理に気づき、努力をしなくなるのもそういう運命ーー運だったわけだ」

「まて、それはなんか違う。努力はしとけ、後で後悔するぞ」

以下略



12:名無しNIPPER
2015/10/02(金) 23:59:18.35 ID:9di6AgIy0
「じゃあやっぱり努力するわ、俺」

「そうしとけ」

「こうやって、そういうことを気づかせてくれる友達がいるってことは、俺は運がいいということになるな。やっぱ世界は運だ」
以下略



13:名無しNIPPER
2015/10/03(土) 00:04:45.38 ID:d3Y1QxwN0

「そんなに彼女がほしいのか……」

呆れたように彼が言った。

以下略



14:名無しNIPPER
2015/10/03(土) 00:05:34.55 ID:d3Y1QxwN0
一瞬何を言われているかわからなかった。彼は引き続いて静かに言葉を紡ぐ。

「俺がその彼女の代わりになることは可能か? って聞いてる」

彼の言っている意味が理解できた。俺も口を開く。
以下略



15:名無しNIPPER
2015/10/03(土) 00:06:31.79 ID:d3Y1QxwN0
ごめん、モチベーションが保てなかった。本当はもっと壮大な話にするつもりだった。

さよなら、おやすみ


16:名無しNIPPER[sage]
2015/10/03(土) 02:41:12.77 ID:7bf/3C3VO
俺と同じ考えだわ


17:名無しNIPPER[sage]
2015/10/03(土) 04:50:07.95 ID:TV+2pxkSO
時の運が良かろうと悪かろうと視点や考え方一つで変わるさ


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