過去ログ - 二宮飛鳥「魔法にかかったボクは」
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2015/10/03(土) 02:18:54.86 ID:FpM9L6dM0
 「へくちっ!」 
 「ん?」 
  
 ソファーの方からくしゃみが聞こえてきた。背もたれの向こう側に誰かいるのだろうか。 
 近寄って様子を見てみると、ジャージ姿で丸くなっているアイドルがひとり。 
  
 「おはよう、梨沙。寒いのかい?」 
  
 的場梨沙。ボクより2つ年下の同僚で、一緒に仕事をすることも多い間柄だ。 
 いつもツインテールにしている髪はほどかれており、よく見るとしっとりと湿っているように見える。 
  
 「どうして朝からジャージを着ているんだい」 
 「……服が濡れたのよ」 
 「ひょっとして、傘をささずに来たとか」 
 「違う。水たまりの横歩いてたら車がそこを踏んづけて思いっきりぶっかけられたの」 
 「それは……災難だったね」 
 「まったくよ、もう」 
  
 不機嫌な様子を隠そうともせず、頬を膨らませて愚痴をこぼす梨沙。先ほどのくしゃみは、ここに来るまでに身体が冷えてしまったことが原因なのかもしれない。 
  
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