過去ログ - 二宮飛鳥「魔法にかかったボクは」
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6: ◆C2VTzcV58A[saga]
2015/10/03(土) 02:21:02.68 ID:FpM9L6dM0
「アタシ、雨って嫌いなのよね。こういうハプニング起こりやすいし、髪は湿気て痛んじゃうし」
「ボクは嫌いじゃないかな。晴耕雨読なんて言葉があるけど、雨音を聞きながら本を読むと不思議と捗ったりするから」
彼女の隣に座り、忘れ物がないか鞄を確認しながら雑談する。今もビルに打ちつける雨の音が聞こえてくるが、ボクにとってはなんとなく心地の良いBGMに思えた。
「む、意見が割れたわね」
そう言うと、梨沙はソファーの背もたれにあごと両手を乗せてデスクに顔を向ける。
「プロデューサー! プロデューサーは晴れの日と雨の日、どっちが好き?」
「うん? そうだな……雨だと移動が面倒だから、晴れかなあ」
「よし、これで2対1ね」
ほう。味方を増やしてきたか。
「なら……ちひろさん。あなたは雨の日と晴れの日、どちらを好む?」
「私は雨ですね。お気に入りの傘とか長靴とか使えるので」
「これで2対2のイーブンだ」
こちらも張り合って仲間を増やしてみると、梨沙は再びしかめっ面を作り腕を組んでいた。
「4人だと決着がつかないわね……じゃあ、次にこの部屋に来た子に選んでもらうわよ」
「その人物の選択にすべてを委ねるというわけか。いいだろう」
勝負方法を決めたボク達は、部屋と廊下をつなぐドアに熱のこもった視線を送る。結果が気になるのか、Pとちひろさんも同じように次の来訪者を待っていた。
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