過去ログ - 森久保乃々「蘭子さんの手は綺麗ですね」神崎蘭子「う……また、そんなことを……」
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8: ◆4hFZjWI4fWw3[saga]
2015/10/03(土) 03:04:22.36 ID:F6XWKZ5I0
悲鳴も出ません。

腕がピ、ピ、ぴ…………ピクピク、動いています。

生きているかのように。

もう頭まっしろで、よくわかんないですけど、まるで何かの力に背中を押されるようにしてもりくぼはその腕に近寄りました。

腕の周りには本当に血痕一つ落ちていません。あるのは一つの腕。ピクピク動いているのはこの際無視してよく見てみると、とても綺麗な手でした。

ツメは綺麗に整えられて、ピクピク指が動く度に塗り揃えられたマニキュアが日光を反射しています。

血管が全て透けて見えそうな白い肌を強調するようにしてひじの部分は少し赤らんで、なめらかな曲線は黄金比をなぞるが如くスラっと二の腕を形作り……。

動転を通り越して逆に冷静になったのか、やけに文学的な描写が頭のなかに響いてきます。

その腕は丁度二の腕の真ん中当たりでばったり途切れていました。

さながらヴィーナス像の腕だけを取り出したように、断ち切った石膏の断面のように、唐突に二の腕の途中から先にあるはずの腋や肩が欠け落ちているように見えました。

あまり有機的でないその断面のおかげか、気味の悪さがほとんど感じられません。

いや……ピクピク動くのはやっぱり気持ち悪いですけど……。



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