4: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/10/07(水) 15:30:27.56 ID:1tXlvZV40
ため息を一つ。
そして改めて背後にある扉へと向き直りました。
開かないと分かっていても、それでも試さずにはいられませんでした。
ドアノブに右手を伸ばし、円筒形のそれを右へひねって手前に引くと、思いもかけず扉は開いてしまったのです。
理由は分からないけれど開いてしまったのなら仕方ないと、懐かしい元事務所に脚を踏み入れました。
ホコリとカビ臭さに支配された部屋は、当時の面影を残しつつも、がらんどうな空間は寒々しく、ここはもう終わってしまった場所なんだと思い知らされます。
ここにちひろさんのデスクがあって、ここにプロデューサーさんのデスクがあって、毎日が楽しくって……。
そんな事を考えていたら、思い出と一緒に、涙が溢れ出て、ホコリまみれの床に、幾つかのシミを作りました。
シミと足跡を残しながら室内をふらつくと、休憩室だった場所に、三人がけのソファーが残されています。
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