過去ログ - 渋谷凛とストーカー 「凛ちゃんを壊さなければならぬ」
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名無しNIPPER
2015/10/08(木) 20:26:18.68 ID:HWN9e0F40
――海岸を歩くストーカー
留置場から出た僕は、あてもなく磯辺を歩いていた。
荒涼とした景色が、今の僕の心に合っており、深く染み入った。
僕はもう凛ちゃんに会えない。
会う機会を失ってしまった。
一方的に眺める事さえ許されない。
写真を撮る事さえ許されない。
僕が接することが出来る凛ちゃんは、メディアを通した偶像だ。
そうなったにもかかわらず、僕の心から凛ちゃんを排除出来なかった。
いつも凛ちゃんが僕の心に浮かんで来る。
今みたいな状況になってから、それは酷くなった。
触れることが出来ない美しい凛ちゃん。
触れることが出来なくなった美しい凛ちゃん。
僕は、心の中に浮かぶ凛ちゃんの姿に苦悶した。
凛ちゃんの存在は僕を苦しめるようになった。
あんなに愛していた凛ちゃんと、
もう会えないなんて、もう触れあえないなんて……僕はつらい。
そんな現実を直視すればするほど、凛ちゃんへの想いは募って行った。
愛する凛ちゃんの存在は、いつしか僕にとって苦悶となった。
そんなアンビバレントな感情に潰されそうになった。
荒涼とした磯に吹く凛とした寒風が、僕を刺激した。
突如、僕の中に危険な想念が生まれ、増長した。
その想念とは、こうであった。
「凛ちゃんを壊さなければならぬ」
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