過去ログ - 男「私の価値はこれだけだ」エルフ「あなたを一生許さない」
1- 20
8:名無しNIPPER[saga]
2015/10/09(金) 21:59:36.88 ID:WFUQ5gUN0
エルフ「好きな所へ座れ。ここは私一人で住んでいる」

男「家族は?」

エルフ「………」

男(沈黙。言いたくない事情が?)

エルフ「エルフの入れる紅茶が飲めるなんて、この世界では一生自慢出来ることだぞ」

男「それは楽しみだ」

エルフ「……絶対に違う部屋に入るなよ」

男「分かってる」


 エルフがいなくなり、部屋がシィンと静まり返る。

 まるで癌検査の待合室のような重苦しさに耐えられず、私は幾何学模様を分析しようとした。


男(扉の円はオンオフを役目しているのだろうか? 一周なら鍵がかかり、二週なら開けることができる)


 それならば円を避けるように並んだ直線は何を示す? 扉に鍵以外の役目が必要なのか?


男「……防衛システム」

エルフ「正解だ」


 10人以上が同時に食事できそうな机に置かれたティーカップ。

 それは陶器で出来ていて、エスニックな木の部屋には不釣り合いだった。


男「………?」

エルフ「……何か?」

男「………」


 何故ティーカップだけ陶器でできてるのか。

 喉元まで差しかかって、私は必死に飲みこんだ。

 詮索が許されるのは親しい者だけだ。今はただ、彼女の厚意に甘えることだけを。


男「……紅茶?」ゴク

エルフ「文句が?」ギロ

男「い、いや違う。私の世界ではこれはコーヒーと言うので驚いただけだ」

エルフ「コーヒー。それはラクスタ豆を挽いて作るのか?」

男「クラスタ豆の言い間違いか?」

エルフ「バカにするな。ラクスタ豆だ」

男「恐らくそうだ」

エルフ「ふぅん」

男(知識欲の塊と言う割にはコーヒーに興味はないのか……)


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
58Res/39.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice