過去ログ - モバP「本当に好きだから」
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30: ◆rDGuVmz79Q
2015/10/14(水) 23:53:18.33 ID:BcK48Ayq0
P「そうだよな…」

P「一番大事なことを忘れてたよ…」

そういうとPさんは私の拳を手で包んだ。そっと下ろされた左手の主は私に力強く言う。

P「奈緒。マリーンズファンはな、祈らないんだ」

P「選手たちを信じているから、いや勝ってくれるって知っているから」

P「神頼みなんてする必要がないんだ」

奈緒「…うん」

P「だからその代わり、声を出す。力の限り応援する」

フィールドではファイターズの選手たちが守備につこうとしていた。

P「千葉マリンに集まったみんなで、大きな声で、応援しなくちゃな」

奈緒「…ああ!」

応援団のラッパが伴奏を吹き始める。響く太鼓のリズムは体を揺らす。
勇壮な音色は選手の為に。
肩にかけたタオルを頭上に掲げ、アタシは力の限り叫んだんだ。

デスパイネがバッターボックスに入る。ピッチャーは回またぎのアリハラ。昨日は好リリーフを見せたらしい。

審判が手を挙げ、始まりを告げる。
既に数コーラスを歌っていた。
アリハラが振りかぶり初球を投げる。それは一瞬の出来事だった。

快音が響く。

白球は高く高く上がる。そしてそのまま歓声止まぬスタンドへと突き刺さった。

アタシは…なんだかよくわからない大声をあげてPさんとハイタッチした。
体中の毛が逆立っているみたいだ、興奮が収まらない。
決してアタシだけが変なわけじゃなく、スタンドの誰もが肩を組み、手を叩き、拳を重ね、思い思いにこの瞬間に酔いしれていた。

この前のフェスで歌ったときみたいだ。
そこはアタシ達と、ファンのみんなしか居ない世界。
それは目の前に広がる光景とどこか似ている気がした。


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