過去ログ - 【デレマスss】渋谷凛「可能性」 -SS速報VIP

過去ログ - 【デレマスss】渋谷凛「可能性」

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32: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:02:57.36 ID:Cu5T7ELxo
　そして今、練習の難易度に悩んでいる。ベースと一緒に買った教則本に物足りなさを感じ始めていた。
　所在なさげに教則本の最後に乗っていたAマイナーのペンタトニックスケールを弾いていると、少し遠くから声をかけられた。

「よう、凛！今日はここで練習してたのか」
「ヤッホー、しぶりん！今日も相変わらずキマってるねえ」

以下略

33: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:05:18.24 ID:Cu5T7ELxo
「アタシらはダンスレッスンの帰りだよ」
「それでその帰り道に、しぶりんが物憂げにベースを奏でてたから声をかけたってワケ」

　はたから見れば私は物憂げに見えていたみたい。別にそんなつもりはないのになあ。
　未央が私の右隣に腰掛ける。

以下略

34: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:06:08.43 ID:Cu5T7ELxo
「それじゃ、まずはいつもやってる練習から」

　CからBまでを階段のように駆け上る。登ったあとは下って、途中でちょっと戻ったり。手の体操みたいにこれをやっている。

「凛は指弾きなんだな」

以下略

35: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:07:01.01 ID:Cu5T7ELxo
　ふふ、未央も気付いたみたい。ベースラインに少しだけメロディを混ぜて弾いてみたんだけどね。

「やっぱりStar!!じゃん！すごい、しぶりんすごいよ！めっちゃカッコいいっ！」

　カッコいい、か。確かにこれはちょっと嬉しい、かな。

以下略

36: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:08:00.17 ID:Cu5T7ELxo
「ふぅん……」

　私の傍らに置いてた教則本を夏樹が拾い上げ、ぺらぺらとページをめくる。
　一通り目を通したのか、ぱしんと閉じた。

以下略

37: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:09:07.30 ID:Cu5T7ELxo
　何がどういう訳なのか、さっぱりわからない。輝子がどうかしたんだろうか。

「え、え？話の先が見えないんだけど」

「いいから、ベース仕舞ってついてきなよ。事務所に着いたらわかるからさ」

以下略

38: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:10:57.09 ID:Cu5T7ELxo
「あれ、輝子はいないのか？」

「ええ？事務所に戻るって言ってたんだけどなあ」

　辺りを見回しても輝子の姿は見えない。

以下略

39: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:12:11.72 ID:Cu5T7ELxo
「そうだ、夏樹。なんで輝子なの？」

　ここに来るまで夏樹が答えてくれなかった質問をもう一度尋ねる。

「ん、ああ。輝子もベーシストなんだよ。凛よりもちょっと先輩のな。歴2年半くらいだったかな」

以下略

40: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:13:24.88 ID:Cu5T7ELxo
「ごめん……遅くなった、フヒ……」

「サンキュー、輝子。って、いっぱい持ってきたな」

「凛に上げるんだろ……？どれが合ってるかもわからないから……全部持ってきた」

以下略

41: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:15:28.32 ID:Cu5T7ELxo
「凛はこれから時間、空いてる？」

「今日は一日ここで過ごすつもりだったからね。空いてるよ」

「それじゃあ、スタジオ借りて、セッションしよう……フヒ。夏樹は、ど、どうする……？」

以下略

42: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/10/20(火) 23:17:04.40 ID:Cu5T7ELxo
「二ヶ月振りだな、ここに入るの」

　輝子と鍵を借りてスタジオに入る。初めてこの部屋に入ったのは2ヶ月前。その時はただ聴いているだけだったけど、今回は自分が弾く為にここに来ている。何か、感慨深いものを感じた。

「アイバニーズか……、いいの、買ったな。シールドは……モンスターケーブル。いいシールド、だよね……フフ」

以下略

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