過去ログ - 【デレマスss】渋谷凛「可能性」 -SS速報VIP

過去ログ - 【デレマスss】渋谷凛「可能性」

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81: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:40:08.61 ID:CzZV3iKpo
04.

　時は、少しだけ遡る。

82: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:41:46.81 ID:CzZV3iKpo
「そろそろ戻らないと。最後の打ち合わせに間に合わないよ」

「ええっ、もうそんな時間！？早すぎるよぉ～」

　未央が残念がるけど、その姿はいつも通りだ。気負いは無さそう。

以下略

83: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:44:27.32 ID:CzZV3iKpo
「本番前の最後のミーティング、始めよっか！」

「はーいっ！」

　美波の進行に、みりあが元気に返事をする。

以下略

84: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:45:13.01 ID:CzZV3iKpo
「みんな集まってる？お客さんはモチロンだけど、スタッフさんも私たちも全員、安全に、そして楽しく、この夏一番に盛り上げていくわよ！」

　瑞樹さんの意気込みに、私たち全員で返事をする。楽しいことは、安全じゃなきゃいけないよね。
　それから瑞樹さんが円陣組むわよ、と言って、楓さんに掛け声を振る。

以下略

85: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:45:58.53 ID:CzZV3iKpo
―――お願い、シンデレラ♪

「始まったよ！」

　遂に始まった。

以下略

86: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:46:51.67 ID:CzZV3iKpo
　練習室に着いた私は、早速シールドを繋いで音を出す。ベースの奏でる低音が、私の心を鎮めてくれる。

「ちいさく、まえならえ、つめこんだ、きもちが、まえにも、うしろにも、ほら、はじけとびそ」

　メロディに合わせて口ずさむ。この曲は完璧。何も見なくたって、目をつむってたって、手が勝手に動き出す。

以下略

87: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:47:54.09 ID:CzZV3iKpo
「ふっふー、しぶりん、ハマってますなぁ」

「ずいぶん熱中してましたね、凛ちゃん！」

　マイクが繋がったスピーカーから、私じゃない声がして、驚いて手が止まってしまった。

以下略

88: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:48:59.26 ID:CzZV3iKpo
「ふぅ、この辺にしとこうか」

　20分も経ってないけど、本番前に体力を消耗するわけにもいかないからね。未央がゴネるかと思ったけど、あっさりと承諾してくれた。

　3人で片付けをしていると、扉が勢いよく開いた。

以下略

89: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:50:21.47 ID:CzZV3iKpo
いま気づいたんですが、ナンバリング間違えてますね

>>81のところ、04じゃなくて03です

90: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:51:37.88 ID:CzZV3iKpo
　救護室のベッドに美波は横たわっていた。そばにはアーニャとプロデューサー、ちひろさんが居て様子を伺っている。私たちは救護室の外でそれを見ていた。
　美波の状態は、とその場にいたみくに訊くと、風邪じゃないけど熱が酷い、極度の緊張で発熱したみたい、と返ってくる。

　しばらくして、プロデューサーとアーニャが救護室から出てきた。
　それから、プロデューサーに率いられてみんなでシンデレラプロジェクトの控え室に入ると、プロデューサーが話を切り出した。

以下略

91: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:52:14.76 ID:CzZV3iKpo
　蘭子の瞳に光が灯る。不安と焦りをその影に隠した、覚悟と云う名の光が。

「私は唯一のソロ。ただ独りの、ソロ。プロデューサーは居てくれるけど、お仕事も、レッスンも、独り。淋しくても、辛くても、言葉に隠してきました」

「そんな時、私の手を握ってくれたのが、美波さんと、アーニャさん」

以下略

92: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:53:22.85 ID:CzZV3iKpo
「ふーん、蘭子もなかなかロックじゃねーか」

「う、うわ！？夏樹か……いきなり後ろから声かけないでよ、驚くからさ」

　蘭子とアーニャが練習に向かい、他のみんなも各々のユニットで集まって相談やステージの準備を始めていた。

以下略

93: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:54:48.04 ID:CzZV3iKpo
　振り返ると、未央と卯月が私を見ている。私は、今どんな顔をしていたんだろうか。

「大丈夫だよ、しぶりん。いつもどおりの私たちで、ファンのみんなと楽しめばいいんだって」
「そうですよ、凛ちゃん！私たちの全力で、頑張りましょう！」

以下略

94: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:55:15.36 ID:CzZV3iKpo

　出番まで、これ以上何も起こらないといいんだけど、と心の中で呟いた。

95: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:57:49.06 ID:CzZV3iKpo

「そういや、遠くの空が少し暗かったな。これ以上、雲行きが怪しくならなきゃいいんだが」

96: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:58:53.58 ID:CzZV3iKpo
　いよいよ、シンデレラプロジェクトの出番が始まった。
　みくと李衣菜も、さっきまで少し焦ってるみたいだったけど、本番前はいつもどおりに軽口を叩き合っていたし大丈夫だろう。MCも快調、ダンスのステップも軽快だ。

　そして交代、ラブライカ。
　美波の代わりの蘭子は必死に、けれど必死さを見せずに踊っている。その姿はさながら白鳥。衣装の色調と合間って、白鳥のイメージを強く思わせる。

以下略

97: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 10:59:58.78 ID:CzZV3iKpo

「すごい、ね」

　私の口から、ほとんど呻きの様に零れ出た。蘭子のパフォーマンスに圧倒されて出た言葉。
　未央も卯月も、ステージが映し出されるディスプレイに見入っていて、うんとか、そうですねとか、生返事しか出来ていない。

以下略

98: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 11:01:34.93 ID:CzZV3iKpo
「すごかった、ですね」
「すごかったねぇ。アーニャもすっごく安定した動きだったけど、それよりらんらん。ほっとんどぶっつけ本番であのパフォーマンス。負けてらんないね！」

　未央が笑ってそう言った。卯月もそれにつられて笑っている。

以下略

99: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 11:02:05.56 ID:CzZV3iKpo

　おー！、と三人が声を上げようとした、その時だ。水に濡れたアーニャと蘭子がステージ上から駆け込んできたのは。

100: ◆NLhSzg8s1Q[saga]
2015/11/01(日) 11:05:04.23 ID:CzZV3iKpo
第三話、終了です。およそ4000字でした。
次の更新は来週半ば、水曜日辺りを目指して頑張ります。
恐らく、次回で今作の最終話と為ります。

デレステのイベントに気を取られないようにしなきゃ……

101:名無しNIPPER[sage]
2015/11/01(日) 11:49:54.86 ID:vBHWbEW+O
おつかれ

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