過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える 続きと終わり
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:54:01.44 ID:kAKMmD4ho
それでも、私は変えたくなった。
「だよな。……じゃあなんで文系にしたのか、聞いてもいいか」
「…………私にもやりたいことが、なりたいものがあるの」
以下略
39
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:54:44.82 ID:kAKMmD4ho
「……うん。これは私が解決すべき問題だから、あなたに助けてもらおうとも思ってない。ちゃんと……伝えて、わかってもらうわ。どんなに時間がかかっても」
「おお。お前ならできるよ。絶対」
「ありがとう。今日はなんだかあなた、根拠のないことばかり言ってるわね」
以下略
40
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:57:22.96 ID:kAKMmD4ho
言いにくそうな割に、目は興味津々だった。
やっぱり、あんな半端な言い方では気になるわよね。でもあまり素直に言う気にはなれない。
「…………あなたには言いたくないわ。だって、才能ないみたいに言われたことがあるもの」
以下略
41
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:58:12.84 ID:kAKMmD4ho
「…………笑わない?馬鹿にしない?」
「んなことするわけねぇだろ」
「…………。私、実はね、昔から………………」
以下略
42
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:59:42.01 ID:kAKMmD4ho
季節の移り変わりは私自身の環境も大きく変えた。生徒会長を退いて、高校を卒業して、大学へ入学して……。
そのどれもが一抹の不安と寂しさを、それだけでなくこれからへの期待を抱かせる、私の人生の節目と呼んでもいい出来事だった。
目まぐるしく変わる環境に、慌ただしく終われるように過ぎ去る日々もあったが、今はもう大分安定した生活ができていると思う。
以下略
43
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:00:59.08 ID:kAKMmD4ho
今の私は目標を自分で定め、それに向けて前に進むことができる。そう変わった。
こんな風に内的にも外的にも様々なことが変わってしまったわけだが、そんな中で変わらずにいるものも確かに存在する。
「ゆきのーん、久しぶりー!待ったー?」
以下略
44
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:02:29.56 ID:kAKMmD4ho
彼女はとてもという言葉で言い表すには失礼なほど寂しそうにしていたが、泣かなかった。
やがて彼女は笑って私の手を取り、あたしに出来ることならなんでもする、私が一人で立てるように助けると、そう話した。そして、ずっと友達だよ、と付け加えてくれた。
泣いたのは、泣かされたのは私のほうだった。結局彼女も私につられたのか、笑顔のままで泣いていた。世界で最も優しくて暖かい、けど何よりも切ない涙は、私にひとつの決意をさせた。
以下略
45
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:15:26.11 ID:kAKMmD4ho
その後も皆とさまざまなイベントをこなし、時に三人で奉仕部としての依頼解決もしながら、残された高校生活を謳歌することができた。
彼女は三人の中で一番成長して、誰よりも大人だったのだろうと思う。
だからだろうか、奉仕部で行っていた例の勝負、平塚先生の選んだ勝者は由比ヶ浜さんだった。
以下略
46
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:16:05.14 ID:kAKMmD4ho
敗者への命令なのに快くとは可笑しいなと、平塚先生は嬉しそうに微笑んでいた。
そのあと由比ヶ浜さんから比企谷君個人へ何らかの命令があったようだが、私はそれを未だに聞けていない。
ゆきのんは知らなくていいことだよと言われたけれど、気にならないわけがない。
以下略
47
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:17:32.09 ID:kAKMmD4ho
私は家の付き合いで彼と会っているから、由比ヶ浜さんほど久しぶりという感じでもない。
彼とはある約束を交わした。私と彼の過去にまつわる、共通の苦い記憶。後悔と呼んでもいい。それをいつか、二人で精算しようと約束をした。
まだ果たされてはいないが、彼はそれを済ませたら自分も前を向くと、そう話していた。
以下略
48
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 20:18:15.66 ID:kAKMmD4ho
最初は頭ごなしに否定され会話にはならなかったが、諦めず何ヵ月もの間、会う度に同じ話を延々繰り返した。
すると母は、あまりに強固な態度で主張する私に根負けする形で、渋々ながらも半分ほどだけ認めてくれた。これには少し意外……でもないか、薄々はわかっていたけど、姉さんの後押しもあったから、そのおかげでもある。
長女と言う立場からか、姉としての威厳からか、姉さんは家のことは私に任せてあなたは好きなことをやりなさいと言ってくれた。一生頭が上がらなくなる瞬間だった。
以下略
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