過去ログ - 【アニマス×デレアニ】「夢の頂上決戦!765プロvs346プロvs961プロ」
1- 20
202:その十『 絆 』[saga]
2015/12/08(火) 23:12:40.73 ID:SwM7fNx1o
――――――

 春香はある人物を探して走り回る。
 ……見つけた。


「千早ちゃん」

 その呼びかけに、千早は背を向けたまま返す。

「……話しかけないで。今の私達は、」
「ううん」

 首を振る。

「なんだかもう、どうでもよくなっちゃった」
「……?」

 突拍子もない春香の言葉に、少々の驚きと共に振り返る千早。
 振り向いた先には、ゆっくりとこちらへ歩み寄る春香の姿。


「理由は分からないけど……千早ちゃんが全力で歌おうとしてる。――なら」


「私は、全力で受け止めてあげる」
「……」


「気付いたの……もう、何でもないんだよ。千早ちゃん」

「”距離”や、”立ち位置”じゃない。”私達の関係”……」


「 ”友達” ”仲間” ”親友” ”家族” ……”敵” 」


「……私達は、そのどれでもない」

「だって、ふたりが積み重ねてきた年月を表す言葉なんて、どこにもないんだから」


「ただの、 ”天海 春香” と ”如月 千早” 」

 
 二人の間には、数mの距離。
 まっすぐにぶつかり合う視線。


「きっと、今の千早ちゃんを受け止められるのは、私しかいない」

「だから……千早ちゃん」

 微笑みながら、両手を広げる。



「全力で――かかっておいで♡」
「……っ!」


 春香らしくもない、相手を挑発する言葉。
 だがそれは紛れも無く、春香から千早へと向けられた言葉。

 その言葉を聞いた瞬間に千早が感じたのは、ふわりと、浮上した感覚。
 きっと元が優しい彼女は、無意識のうちにリミッターをかけていたのだろう。
 かつての同僚に、仲間に、全力が出せるわけがないと。
 だが――
 

「なら、遠慮なく……そうさせてもらうわ」


 千早は口角を上げ、にっと笑う。


「どっちが勝っても、恨みっこなしよ」
「うん」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
235Res/263.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice