過去ログ - 八幡「それでも俺は・・・ゆきのんとゆいゆいの抱き枕が欲しい(ファミレス)」
1- 20
64:名無しNIPPER[saga]
2015/10/23(金) 22:17:42.15 ID:RAcRHlET0
昼間、散々戸部と海老名さんの雰囲気作りに一丸となって気を揉んでいた割に、肝試し特に仕込みはなかった。
ただ、アホみたいに暗い森の中を進み、一周して戻ってくるだけという何の捻りもないコース設定。
それがかえって、肝試しのリアリティに輪をかけていた。仮に異常事態に陥っても、それは吊り橋効果を期待した優しいお節介などではないのだ。

俺は気を紛らわすため顔にたかってくる蚊を叩きながら歩みを進めていく。
以下略



65:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 00:23:10.46 ID:WWNM6a12o
つづきはよ


66:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 00:27:19.64 ID:Pr1qo42bo
乙です!


67:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 00:44:27.10 ID:0tTV2Oe40
境内から離れるといよいよ視界は闇に塗りつぶされる。森の胎で冷やされた空気が濃密になる。
冥府の門を潜っているかのように、俗世の気配は遠ざかっているようだ。

「つーか何でお前、来たんだよ?肝試しなんか」

以下略



68:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 00:45:48.42 ID:0tTV2Oe40
>>65>>66
投下速度遅くてごめんね!!!
書き溜めが無いんです!!!


69:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 00:49:24.72 ID:0tTV2Oe40
しばらく歩くと否が応にも思考が冷却される。

四方を囲む闇の中に、死神の気配を感じる。恐怖が脳が作り出す幻想の死神だ。
気を抜くと死神がはっきりとした輪郭を得て、走り出してしまいたくなる衝動に駆られるだろう。
川崎が俺の上着を掴む手にも力が篭っていた。
以下略



70:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 00:59:40.87 ID:0tTV2Oe40
絶望の波がじんわり押し寄せ、背筋に怖気が走る。

俺が呆然としていると、不意に体からにまとわり付く圧迫感が離れた。
川崎が転がり落ちた電池を追って走り出していた。
咄嗟の判断だろう。
以下略



71:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 01:18:49.85 ID:0tTV2Oe40
スマホの細い灯りを頼りにしばらく歩くと、川崎の姿を見つけた。

地面にうずくまって肩を震わせている。デニムには土が付いていた。
あてもなく電池を探して歩いいて孤立して、身動きが取れなくなってしまったのだろう。

以下略



72:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 01:36:59.51 ID:0tTV2Oe40
「スマホの灯りじゃあ、心もとないからな。はぐれないように・・・」

歩き出してすぐ、俺は川崎の手を強引に取った。
川崎は一瞬身じろぎはしたものの、俺の手を受け入れる。
細く柔らかい指だ。割と手汗がびっちょりだが今はそれすらも愛おしい。
以下略



73:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 02:01:29.26 ID:0tTV2Oe40
この時点で肝試しの醍醐味の大部分が失われてしまったといっていい。

何しろ、俺達の思考は霊魂の囁きが付け入る隙のないほど、優しさに満ち溢れていたから。

退屈してしまったので、俺は新たな遊びを提案することにした。
以下略



118Res/120.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice