過去ログ - 終結の彼方
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4:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:48:10.47 ID:c9hFcx2r0
小梅は一言だけ呟くと、小さな声で歌い始めた。呼吸がうまくできないで息苦しく顔色が悪い自分を安心させようとしているのか、小梅自信が自分は大丈夫だと伝えたいのか。小梅の顔を見る限り彼女も顔色が悪くなっているというのに、息苦しくなっているだろうに歌ってくれた。小さな声でも分かる彼女の繊細で綺麗な歌声はちゃんと自分の耳に届いてくれた。

小梅の歌を聴いていると、だんだん視界が薄く小梅の姿が見えなくなってくる。視界だけではなく頭の中も真っ白で何も考える事が出来ない、小梅の歌声と一緒に自分という存在が消えてしまう。

「あの子が消えた」
以下略



5:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:49:06.79 ID:c9hFcx2r0
「……サー……」

「…………」

「プロ……サー……」
以下略



6:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:49:40.96 ID:c9hFcx2r0
「やっ、やっと……起きました……」

「寝てる場合じゃなかったよね。ごめん」

どうして眠ってしまったのかまるで覚えていない。覚えているのは小梅の歌声だけ。それから後の事は何も覚えていない。思い出そうとしても変な頭痛が邪魔をしてくるせいで諦める事にした。
以下略



7:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:50:45.21 ID:c9hFcx2r0
時間が経つまで開かない扉。開いているという事は意識が無く眠ってしまったその間に終わってしまったという事。この扉の先は自分の知らない終わった後の虚無の空間。何も知らない恐怖でしかない先を考えるだけで息が荒々しく心臓の鼓動も激しくなっていく。

でもそんな事を思っている場合でもない。小梅に心配をさせてはいけない。小梅だってこの扉の先が不安と恐怖でしかないと思っているだろう。深呼吸をするとほんの少しだけ落ち着けた。

「先に出てみる。小梅は待ってて」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 20:54:05.79 ID:c9hFcx2r0
ごめんなさい、途中から投稿してしまいました
スレ立て直します


9:名無しNIPPER[sage]
2015/10/21(水) 21:11:40.23 ID:5buPugfoo
ふざけんなよ失敗したくらいで無駄に乱立させんなボケカス
このスレでかけ


10:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:14:08.42 ID:c9hFcx2r0
>>9 そうですね!ごめんなさい!


11:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:14:47.43 ID:c9hFcx2r0
最初から書きます


12:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:17:56.78 ID:c9hFcx2r0
「後一時間もすれば最後。小梅は大丈夫か」

「だっ、大丈夫……です……」

本日をもって争いばかりのこの世界は終わりを告げる。世界が終わる事を知った人類は自分だけが自分達だけが生き残りたいと争いを続けた。そして国と国とが生きる希望を信じて戦いこの世界を傷付けた。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:18:35.55 ID:c9hFcx2r0
そんな争いだけの世界に平和を望み歌い続けたアイドル白坂 小梅とそのプロデューサーである自分の二人だけを残して人類は全滅する。 小梅も自分も平和を望み世界に歌を届けたけどその歌声は届かなかった。

日本の科学者が秘密に開発していた特殊なシェルター、人がたった二人だけ入れる程の小さなシェルター、この中で過ごせば生き残れるらしいけど結局はその時にならないと分からない。科学者から平和を望み続けた小梅と自分に生き残れたら次の世界を見届けて欲しいと頼まれてシェルターに入る事にした。

「小梅は意味があったと思うか、この人類に」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:19:39.48 ID:c9hFcx2r0
白坂 小梅、彼女と一番最初に出会ったのはアイドルオーディションの開場だった。おとなしく人と話をするのが苦手、話を聞いてもアイドルになる気はないと言っていた小梅だが、いざ好きなものの話をさせてみると、パッと笑顔でホラー映画の話をしてくれた。

その時の自分は彼女の笑顔を見てトップアイドルとして花開く姿ばかりが頭の中を膨らませていた。小梅を合格させてレッスンの日々、苦手分野が多い彼女で最初は上手くいかずにマイナスな発言ばかりもしていた。唯一歌ならとボーカルレッスンをさせてみるとその透き通る歌声がまたその時の自分の心に響かせてくれたっけ。

一歩ずつ一歩ずつ、小さな仕事を受けては反省と成長。日に日に彼女の歌声は日本を包み、大きな存在になっていった。いつの間にか大人気アイドル、自分の頭の中で想像していた小梅の姿が目の前にはいてくれた。自分が何かしたと言うより小梅が成長して変わってくれた。


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