149:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:50:39.71 ID:WfReZCwA0
――成長した姿を、見せることができたと思うか、って?
あ、アハハ――自分では、正直、分かりません。
ケンカのフリをした、あの日の美希――私、とても怖くて、泣いちゃいました。
怖い演技だったから、っていうわけじゃありません。
テキトーに振舞ってた美希が、いざ本気を出した時の実力を、肌で感じて――。
美希は、あまりホンキじゃなかったよ? って言っていたから、なおさら――。
何てすごいんだろう――私みたいなのが、敵う相手じゃないって。
同じ765プロの仲間同士なのに、とても大きくて、怖かったんです。
トップアイドルを、軽々しく夢見ていた自分が――すごく、情けなく思えちゃって。
何も才能も、個性も、魅力の無い普通なだけの私が――。
そうやって、事務所の近くの、公園のブランコで、一人で落ち込んでいる時でした。
プロデューサーさんが、私の隣のブランコに、チョコンと座ったんです。
どこか痛いのか? さっきのケンカ――と、プロデューサーさんは聞きました。
私は、何ともありません、と笑ってごまかします。
そうか、と言って――プロデューサーさんは、なぜかブランコの上に立ちました。
意味が分からないまま、眺めていると、そのまま立ち漕ぎを始めたんです。
ここには砂場が無いんだなぁ、と、プロデューサーさんは呟きました。
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