過去ログ - 千早「12色のクレパス」
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157:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 01:19:41.58 ID:WfReZCwA0
 だから、プロデューサーさんは私達を見てくれた。

 私達を映す、鏡になって、本当の私達に気づかせてくれたんです。


 きっと、並大抵の労力じゃなかったと思います。
 この、おシゴト帳――いつ書いてたのか、本当に不思議です。

 こんなにたくさん、皆一人一人の特徴を描き出すなんて――。

 それだけに、あの人の視界に映る私達は、きっとキラキラ輝いていたんじゃないかって。
 たとえ白黒にしか見えない目でも、色とりどりの煌びやかな舞台が――。

 ちょっと、自惚れかも知れませんけど、これだけ個性の強い、私達ですから。


 でも――それだけ頑張っていて、犠牲になったものは無いのでしょうか?

 プロデューサーさんが亡くなったことだけを、言っているんじゃないんです。


 私達には、あの人が何を考えていたのか、何を夢見ていたのか――。
 結局、生前のうちに理解することはできませんでした。

 私が思うに――。
 たぶん、プロデューサーさん自身にも、分かっていなかったからだと思います。

 子供の頃、高く飛ぶことを夢見て、ブランコを一生懸命漕いでいたプロデューサーさん。

 でも、鏡になることに徹するあまり、自分を抑え込んで――。
 皆の夢が、自分の夢になって、本当の自分が――本当の自分の夢が、見えなくなった。


 だから、次は私達の番です。



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