62:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 17:29:56.67 ID:wlnW7ggg0
実は、プロデューサーさんのお家にお邪魔したのは、その一度だけじゃありません。
もう一度だけ、あったんです。
いいえ、飲んだ日の帰りとか、遊びに行くとかっていうのとは、ちょっと違います。
遺品の、整理のためです――プロデューサーさんが、亡くなられた後の。
遺品の整理は、私と、律子さんと、音無さんで行いました。
ただのお掃除であれば、やよいちゃんにも、手伝ってもらいたかったんですけれど――。
今回は、ちょっと、違いますものね――。
一度、お家にお邪魔したことがあったのは、この時まで、皆さんには内緒だったんです。
でも――それを告白しても、律子さんも、音無さんも、表情は変わりませんでした。
ずっと、暗い表情のままでした。
アパートの大家さんに、鍵を開けてもらって、中に入って――。
この間お掃除したはずの、ごみごみしたお部屋は、765プロに関するものばかりでした。
雑誌や、CD、DVD――私達を題材にした漫画本も、ありました。
それに、皆が大きく載った、ライブやグラビアのポスター――。
私だけでなく、春香ちゃんや他の子達との、楽しそうなプライベートの写真――。
おシゴト帳や、ずっと温めていたであろう、秘密の企画書のようなものもあって――。
それを手にした律子さんは、声を殺して、泣いていました。
音無さんは、手が止まっている律子さんの分まで、黙々と作業をしていました。
そんな中、私の手を止めたのは――とある一つのゲームでした。
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