過去ログ - 提督「ドッキリで死んでみる」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/10/28(水) 01:11:39.34 ID:iHsws6qc0
提督の表情が落ちてしまった。正確には提督の顔が落ちてしまった。目のあった場所は眼裂さえなくなり、鼻部分の隆起は真っ平らになってしまった。口に関しては最初から死人に口無しだったので気にする必要はない。

榛名は無貌となった提督を見て狼狽した。最近の掃除用品がここまで肉体の識別性を損なうものだとは考えていなかったのだ。指紋を薬品で焼き消すなんてことはドラマなどではそれなりに親しいシーンではあるが、顔ごと消すとなると。

確かに現状では顔無しは最も目立つ特徴であるかもしれないが、それは一時的なものに過ぎないのは明白である。クレンザーと激落ちくんで落ちる程度のものだ、人が考えるより顔なんてものは人間の同一性にとって案外どうでも良いものなのかもしれない。

そうだ。顔なんてどうでもいいじゃないか。私と提督は愛で結ばれている。ラブ、イズ、ブラインド、「愛は盲目」、愛においては外見の識別標なんて考慮するべきではない。私は提督がどうなろうとも愛している。それが全てだ。榛名は提督が無貌となったことに一瞬でも動揺してしまったことを深く恥じ入った。

榛名は盲縞の布団を絨毯の上に敷く。提督を寝かせるにあたり制服の上着を脱がせる必要があったので、榛名は慣れた手つきで制服の前ボタンを外していく。男の服を手間取らず脱がすことができるという事実は必ずしも榛名が男を脱がせることに熟練しているということを意味しない。

それはきっと習慣の延長に過ぎない手際だった。ボタンの掛け合わせ部分において、紳士服はボタンが右手側にあって留めると左襟が前になり、婦人服は反対にボタンが左手側で留めると右襟が前になる構造を持つ。その理由はもっぱら女の服が他人に着せられたり脱がされたりする運命にあるからだった。朝メイドに着せられた服は夜の寝室において男に脱がされることで効果を発揮した。


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