過去ログ - 提督「ドッキリで死んでみる」
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17:名無しNIPPER[saga]
2015/10/28(水) 01:31:46.69 ID:iHsws6qc0
客観的には実在しない真っ黒な水平線の境界に榛名は魅入った。「NO DATA」、情報量ゼロの存在に境界があること、「NO DATA」の空に「NO DATA」の海と個別化が可能であると示す景色に榛名は何か感じ入るものがあったのではないか。

世界の大部分である空と海が「NO DATA」と無化してしまったことは世界という存在にとって大変な危機であるのだから、榛名は焦燥や絶望を持つべきであったのかもしれない。しかし、榛名は提督を純粋に愛する純愛者であって、それ故に世界の滅亡をそれとなく喜ぶ気持ちが大きいのは否めない事実であった。

「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」「どうして世界は、つまり何を意味するにせよ具体的対象があるのか」という問は世界が存在する必然性の根拠を尋ねる。これに対する解答は次のように考えることもできよう。

無の不可能を証明することが同時に存在の必然を証明するのだから、解答は確率的に無の世界がほとんど不可能であることを証明すればいいはずである。「なぜ何かがあるのか」という問はあらゆる考えられるべき世界において、どうして無の世界が現実となるのではなく、何か対象を持つ世界が現実となっているのかを問うている。

世界を区別するものは「今日は晴れた」「猫が机の下にいる」などの命題で、ある世界では真で別の世界では偽となるような命題による。だから、そのような命題の組み合わせを無数に考えられる有の世界では可能性として世界は無限に多くある。

しかし、無の世界は一つである。なぜなら複数の無の世界を考えるには、無の世界のうち一方では肯定され他方では否定されうる命題がなければならないが、しかもそれは具体的対象を欠いた命題でなければならず、そのような命題は不可能であるからだ。無は他の無と区別出来ない。そして、無限に多くある世界のうちで無の世界がたかだか一つしかないのなら、無の世界が現実となる確率はゼロとみなしてよい。


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