過去ログ - 少女「これ、よかったら食べて下さい」 縁「・・・」
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:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 18:52:04.58 ID:LdhjrWnd0
少女「これ、よかったら食べて下さい」
縁「・・・」
縁は、声がした方向に顔を向けてみた。そこには二人の少女がおり、一人は十歳くらいもう一人が八歳くらいであった。
少女妹「あんまり優しくしちゃ駄目だよお姉ちゃん、落人村ではみんなの団結力が大切なのにその人いつも日記持って座ってるだけなんだもん」
少女「だって私、この人が何か食べてるところ見たことなかったからお腹空いてないかなと思って」
少女「それに、いつもすごくさみしそうな顔をしていたし・・・」
少女妹「もう、優しすぎるのがお姉ちゃんの欠点なんだから」
少女「アハハ・・・これ、ここに置いておきますね」
そう言うと二人とも去って行った。子供二人でこんなところにいるのには何か事情がありそうだが、今の縁にはそんなことを気にしているほど心に余裕はなかった。
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2
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 19:03:49.93 ID:LdhjrWnd0
翌々日もその姉妹は食べ物を持って来た。
少女「食べてくれたんですね」
少女妹「カラスが持っていったんじゃないの?」
以下略
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 19:23:05.47 ID:LdhjrWnd0
その翌々日も姉妹は食べ物をもってきた。
少女「今日もここに置いておきますね」
縁「・・・」
以下略
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 19:56:56.21 ID:LdhjrWnd0
それから二日に一回のペースで姉妹は縁のところに来た。最初のうちは本当にカラスが持って行くだけだった食べ物も、縁はたまに食べるようになっていった。
少女は縁のところに行くのが楽しみになり、自分たちの両親がすでに亡くなっていることや、路頭に迷っているところをここの村長に拾われたこと、自分が妹の姉であると同時に母親の代わりであることを話していた。縁は基本喋らず、喋っても一言か二言なので会話が成立しているかは怪しかったが、それでも少女にとっては楽しかった。
少女の妹も、最初は縁を警戒していたが
以下略
5
:
名無しNIPPER
[sage]
2015/10/29(木) 20:05:51.90 ID:Q+JpTqBlO
縁ってるろ剣?
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 20:09:00.25 ID:LdhjrWnd0
>>5
そうです
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 20:47:39.00 ID:5qvHdDAX0
ある日、姉妹の他にオイボレと呼ばれる老人が縁のもとにやってきた。
少女妹「あっ、オイボレさん!」
オイボレ「おぅ、元気のいい娘さんじゃのう」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 21:16:40.33 ID:5qvHdDAX0
少女妹「ありがとうオイボレさん大切に使うね」
少女「オイボレさんありがとうございました。」
オイボレ「気に入ってくれたみたいじゃの」
以下略
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 21:48:38.34 ID:5qvHdDAX0
縁は白梅香のびんと雑記帳を握りしめながら幕末に死んだ姉のことを考えていた。姉のことはひと時も忘れたことはなく、思い返せば様々な光景が蘇ってくるが、なぜか優しく微笑みかけてくれる姉は思い返せずにいた。
オイボレが、縁が雑記帳を持っているのを見て
オイボレ「君は、捨てていないからまた立ち直ることができるよ」
以下略
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 22:10:16.31 ID:5qvHdDAX0
いつもは、二日に一度昼間に姉妹そろって来るのに、その日は昨日に続けて連日で夕方に妹だけが走ってきた。
少女妹「お兄さん・・・お姉ちゃんを・・・お姉ちゃんを助けて!!」
縁「・・・」
以下略
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 22:41:55.10 ID:5qvHdDAX0
ここは落人村だから人がいなくなっても気づきにくい。そう考えた輩が姉をさらって海外に売りつけようとしているということだろう。武器商人だった縁にはあまり関わり合いがなかったが、東洋の魔都といわれていた上海では日常茶飯事だったのであまり驚かなかった。
縁には正直助けてやろうという気は起きなかった。会ってまだ間もないこの姉妹を助けなかったからといってここにくる者がいなくなるだけだし、この姉妹がいなくなろうとも心の中の姉がいれば十分だからだ。
ここで自分が動かなくてもこの子にとって姉であり母の代わりである姉がいなくなるだけで自分にはなんの関係もない。
以下略
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 23:04:29.55 ID:5qvHdDAX0
少女妹「確か・・・おおs
縁は近くにあった竹竿を拾って京都から大阪へ向かった。人をさらって売り飛ばすなんてことをしている連中なので移動は夜になるだろう。
夜に港まで移動して夜が明け切らないうちに出港すると考えれば、今からでも十分に間に合う。
以下略
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/29(木) 23:47:49.98 ID:OfEL3P450
少女をさらった組織は亥の刻に京都を出た。
京都を出る時も、出てからの道のりもすべてが順調に進んでいた。
そんな中、京都と大阪の中間地点付近で道の真ん中に人影を発見した。
以下略
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/30(金) 00:01:41.34 ID:hAhFieX50
ボス「お兄さん、なんか用ですかい?」
縁「その子達をこちらに渡セ」
ボス「こいつらは商品なんですよ。横取りしようとするなら容赦しねぇぜ」
以下略
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/30(金) 00:15:51.55 ID:hAhFieX50
縁は強かった。スピードは銃弾を避ける程速く、蹴りの威力は大男を吹っ飛ばす程のパワーがあった。
下っ端1「なんだこいつ」
下っ端2「銃弾があたらねぇぞ」
以下略
16
:
名無しNIPPER
[sage ]
2015/10/30(金) 00:37:12.53 ID:7fKxHFnMo
さいしょ何かと思ったらるろ剣か、期待
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/30(金) 01:02:57.27 ID:ya2GalPm0
縁は、倭刀術はおろか倭刀術の動きすら使っていなかった。使っていれば下っ端をさらに速く片付けられたはずだが、潜在意識にある剣術で人助けをする嫌悪感が制限をかけてしまっていた。
敵のボスは強く、どこの流派か分からないが安定した強さの剣術と、間合いの外からの銃撃でなかなか隙がない。
縁「クソッ・・・」
以下略
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/30(金) 01:42:35.09 ID:ya2GalPm0
ボス「剣・・術・・お前・・・素人じゃなかった・・・・のか」
ボスを倒した後、縁はつかまっていた少女と、一緒に売り飛ばされそうになっていた人たちを解放した。
つかまっていた人全員にお礼を言われたが、なぜ連れ去られそうになっている人たちを助けようと思ったのか自分自身でも解らなかった。
以下略
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/30(金) 01:47:23.50 ID:ya2GalPm0
短いですがこれで終了します。ありがとうございました。
20
:
名無しNIPPER
[sage]
2015/10/30(金) 13:08:39.66 ID:R4I0xXRko
あ、終わったのか。短かった。乙
縁は姉を殺されてやさぐれたからって自分を助けてくれた善意の家族を皆殺しにしちゃったのがな…
シシオなんて身内に裏切られて焼き殺されるという人間不信になってもおかしくない状況の直後で
助けてくれた宗次郎にちゃんと礼をしてるし。そういう所に敵の魅力が出る
21
:
名無しNIPPER
2015/10/30(金) 13:30:14.69 ID:3g4OqiUCO
乙
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