過去ログ - 安部菜々「Hello, world!」
1- 20
13:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 02:41:28.57 ID:IEVGHL4B0
「自分が育てたアイドルがアイドルとして死ぬ姿を、俺に見届けろっていうのか!?
 アイドルが望んだわけでもない、上の命令で決まった一種の強制引退だ! 冗談じゃない!
 そもそも菜々は、パートナーが俺じゃなけりゃあとっくにトップに立ってんだよ!
 ウサミンに拘らなくったってデビューはできたし、
 ウサミンのままだって実力で常務を黙らせることだってできたはずなんだ!
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 02:49:10.71 ID:IEVGHL4B0
「プロデューサーさん。だったら尚更、あなたは彼女のステージに行くべきです」

千川は……そう言って、俺の手を握った。

「あなたがつらいのなら。菜々さんのファン一号でもあるあなたが、悲しいなら。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 02:54:57.78 ID:IEVGHL4B0
「トップアイドルに育てられないからって、営業がうまくいかないからって……
 あきらめないでください。あなたのアイドルと、ちゃんと向き合ってあげてください。
 私はアイドルが大好きです。でも、彼女たちを導けるのは、プロデューサーさんたちだけなんです」

手を引かれて、立ち上がる。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 02:59:18.77 ID:IEVGHL4B0
千川の用意したタクシーに飛び乗り、会場へと向かう。
ゲームショーに立ち並ぶブースの一角。

「ミミミン、ミミミン、ウーサミンっ!」

以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:06:26.27 ID:IEVGHL4B0
彼女がこの場にいるということは恐らく、あいつも来ているのだろう。

「……菜々」

俺の呟きが、聞こえたとは思えない。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:10:41.31 ID:IEVGHL4B0
「……やはり、いらしていたんですか」

深みのある、低い声。
振り返らずとも分かる。アイドル部門の、エースといえる存在。

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:13:59.15 ID:IEVGHL4B0
……十二時の鐘が鳴る。
俺が安部菜々にかけたウサミンの魔法が、解ける……
俺が見つけた、俺を信じてついてきたアイドルを、俺の手で。

「……なあ。お前、常務から裁量権与えられてんだろ。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:20:02.73 ID:IEVGHL4B0
「それで? 彼が彼女を導いて、輝くステージの上に連れて行くのを、あなたは指を咥えて見てるだけ、と?」

「……辛辣だなあ、おい」

苦笑しながら、俺はウーロンハイを煽った。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:22:28.72 ID:IEVGHL4B0
「なあ、千川」

「なんですか?」

「俺は、無能だと思うかい?」
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:25:45.56 ID:IEVGHL4B0
「プロジェクト、の方はそれでいいとして……菜々さんは、どうやって守る気ですか。
 舞踏会が終わって、シンデレラプロジェクトの魔法が解けたら……」

追加の生を注文しながら絡んでくる千川に、俺はタバコに火をつけながら答えた。

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 03:33:33.66 ID:IEVGHL4B0
イベントが終わった次の日、菜々と交わした言葉を思い出す。

俺は、菜々にそれまでの無能を詫びた。
顔もまともに見られず、ひたすら土下座をしていた。

以下略



34Res/17.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice