過去ログ - 安部菜々「Hello, world!」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:26:34.94 ID:IEVGHL4B0
地下アイドル、安部菜々。
俺は小さなステージで踊る彼女に可能性を見出し、新設されたアイドル事業部へと勧誘した。
その時の菜々の表情を、俺はずっと覚えている。
恋みたいなものだった。
以下略
5
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:28:10.22 ID:IEVGHL4B0
菜々がCDデビューできたのは、常務が帰国する一ヶ月ほど前……
ちょうど、シンデレラプロジェクトが軌道に乗り始めた時期のことだ。
菜々が起死回生の切り札として作り出した「ウサミン」という強烈なキャラクターは、
ソーシャルゲームの広報の目に止まり、イメージキャラクターに抜擢された。
以下略
6
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:28:39.44 ID:IEVGHL4B0
職場に着いても、することがあるわけでもなかった。
オフィスは閉鎖、営業しようにもアイドルの方向性はプロデューサーには決められない。
こんな状況でプロデュースもクソもあるか……とは思うが、
こんな状況になるまで成果を出せなかったのもまた、事実だった。
以下略
7
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:32:02.87 ID:IEVGHL4B0
「あれ、プロデューサーさん? おはようございます!」
菜々に声をかけられたのは、そんな風に社内をうろついている時だった。
「……菜々?」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:33:25.08 ID:IEVGHL4B0
「はい。ナナ、アイドルですからね! レッスンしてないと、落ち着かないんです!」
そう言って、菜々は笑った。
一方的に告げられた、命令のことなんて、なんでもないかのように。
以下略
9
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:34:36.55 ID:IEVGHL4B0
だから、俺の口から漏れ出た言葉は。
「……辞めちまうか、このプロダクション」
「そうですね、辞め……って、えぇ!?」
以下略
10
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:35:37.66 ID:IEVGHL4B0
じゃあ、とエレベーターホールに向かう俺を、
「プロデューサーさん!」
菜々のよく通る高い声が、呼び止める。
以下略
11
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:36:56.87 ID:IEVGHL4B0
そうして……リズモンのイベント当日。
イベントといっても、大したことをやるわけじゃない。
イメージキャラクターとしての衣装でステージに上がり、ゲームの宣伝をするだけ。
タイアップ先との仕事とはいえ、仕事である以上は上からの指示は絶対だ。
いわゆるバラエティ路線のキャラクターとしての安部菜々を、出すわけにはいかない。
以下略
12
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:38:22.87 ID:IEVGHL4B0
喫煙所のドアが開く。
入ってきたのが蛍光グリーンのスーツだったのは、少し意外だった。
「なんだ。喫煙者だったのか、千川」
以下略
13
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 02:41:28.57 ID:IEVGHL4B0
「自分が育てたアイドルがアイドルとして死ぬ姿を、俺に見届けろっていうのか!?
アイドルが望んだわけでもない、上の命令で決まった一種の強制引退だ! 冗談じゃない!
そもそも菜々は、パートナーが俺じゃなけりゃあとっくにトップに立ってんだよ!
ウサミンに拘らなくったってデビューはできたし、
ウサミンのままだって実力で常務を黙らせることだってできたはずなんだ!
以下略
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