過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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20:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:16:15.16 ID:08xPns3X0

「待って!」

振り向くと、気の弱そうな少女が鵺型の雷電から降り立ったところ。さらにもう一人、狐型雷電からは衛生兵用のウォードレス、テンダーFOXを着込んだ少女も。

「お二人とも、足を怪我されてます。ウォードレスの上から応急処置ですが、手当てさせて下さい」

言いながら、二人は素早く跪き、来栖と若宮の足から流れ出る血を止め、ウォードレスの人工筋肉を補強した。
足を捕まえたストリングスライムの針が、何本も貫いていたのだ。
二人は痛みも忘れそのまま進軍しようとしていた。

「よければ、健司……この子に乗ってあげて。気持ちも、言葉も通じるから」

健司と呼ばれた鵺型雷電は、来栖にすり寄ってきた。

「ジジも。わたしたちじゃ、どうせ戦いの役には立たないから」

「分かった。ありがとう。少しの間借りるぞ」

「……感謝する」

来栖が鵺型に、若宮が狐型に跨る。重ウォードレス可憐の重みにも、びくともしない。

「頼むぞ! はぁっ!」

馬に乗るように掛け声を発すると、狐型雷電、ジジは勢いよく走り出した。
鵺型、健司も、来栖は何も声を発さなかったが、意を察して走り出す。

まるで動物兵器と一体になったよう、二人の思うまま、二匹の雷電が駆ける。

「見つけたっ……!」

小型幻獣のさらなる群れに守られ、起爆装置を持った共生派を発見した。
若宮の機銃が駆け抜けながら掃射され、来栖のレーザーライフルが的確に敵の心臓を貫いた。

「起爆装置、確保!」





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