過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/10/31(土) 21:26:53.14 ID:08xPns3X0
巧みに動き回り、廃墟や瓦礫といった遮蔽物を盾にしながら、滝川の二番機はしぶとく戦っていた。
そしてそれを、学兵らの戦車小隊が、後方、側面から的確に援護する。
最新鋭の戦車と装甲車が複数ずつの、学兵の部隊にしてはいささか贅沢な部隊。ではあるのだが、敵の物量に対して、圧倒的不利は変わらない。
滝川と学兵小隊は、じりじりと戦線を下げながら、薄氷を踏むようなバランスで奇跡的に持ちこたえているに過ぎなかった。
「ぐっ……うおっ! あぶねぇ!」
二番機の頭部すれすれを、生体ミサイルが飛ぶ。
一瞬反応が遅れればおじゃんだった。
「ちくしょお、こんなのいつまでも保たねぇぞ……!」
故障、被弾の度に、整備班は頑張ってくれていたが、なにぶん一度の整備にかけられる時間が少なすぎる。
ほんの僅かな間離脱するだけで、幻獣の大群は大きく進軍してくるのだ。
機体、パイロット共に、疲労が限界まで溜まっていた。
自然と動きも鈍くなり、あわやという場面も増える。
「黄色いアルマジロさん! あと少し、あと少しだけ耐えて! みんなも、お願い! わたしたちならやれる! 全然負けてないよ! あんなたっくさんとも、しっかり渡り合えてる!」
明るく励ます少女の声。戦車小隊の隊長さんだ。よく声を出して戦う、いい指揮官だと滝川は関心していた。
それにしてもアルマジロなんて、誰が吹き込んだのか。
「へっへっへ、こっちはまだまだいけるぜ。そっちこそ、大丈夫なのか? ヒロイン天国小隊さんよ」
「このぐらいへっちゃら! 女は努力と根性と忍耐!」
なにやらぼそぼそと「隊長は忍耐ないだろ……」などとも聞こえたが、とにかく、こうして張り合う相手がいるだけで、気力がわいてくる。
それにヒロイン天国小隊とはいい名前だ。
これから素敵なモテモテ学園ライフが始まりそうで、うきうきする。
接近したアンフィスバエナをキックで蹴飛ばし、戦車に迫ろうとするデーモンにアサルトを撃ち込みながら、滝川はうんうん頷いた。
最初「こちら第108警護師団! ヒロイン天国小隊! これより援護に入ります!」と聞いた時には、耳を疑ったものだが。
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