過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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33:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:28:23.18 ID:08xPns3X0


「ふぅ……と。こんなところかな」

隠密任務用ウォードレス、静寂の頭部電子装備を脱ぎ、灰色の髪の少年は汗を払うように首を振った。

「うまくいきましたわね。にしても、これで全部かしら」

隣で、いかにもお嬢様といった金髪美少女が仁王立ちで言う。
その手には、敵から奪ったセムティックスの起爆装置が握られている。

「さぁ。全部かは分からないけれど、逆手にとられてこれだけの大打撃を食らったんだ。それでも自爆攻撃に頼るほど、敵も愚かではないと思うね」

金髪美少女は「それもそうね」と使用済みの起爆装置を投げ捨て、ふふっとしとやかに笑った。

「任務完了、ね。これからどうするの?」

「さて、僕は捕まえた敵共生派を、憲兵隊に引き渡す仕事が残ってるけど。付き合ってくれる?」

「あら、女の子に重たい荷物運びなんてさせる気かしら」

「ははは、荷物は男が持つのがデートの基本。かな? 移動中に敵から襲われないよう、守ってほしいだけさ。さっきまでみたいにね」

金髪美少女は武器を一切手にしていなかったが、その身体から放たれる生体レーザーはかなり強力なものだった。
とはいえこれだけ早く作戦を成功させられたのは、二人のみの手柄でなく、サポートしてくれた黒い狼型雷電に乗る少年と、同じく生体レーザーを放つのんきそうな少女のおかげである。

「それじゃ、もう少しだけ付き合ってあげますわ。地獄のデートコースをな」

最後の一言だけえらく低い声になったのを聞いて、灰色の髪の少年は、はははとまた、楽しそうに笑った。





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