過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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35:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:30:30.05 ID:08xPns3X0


九月十四日 十時 草千里ヶ浜


足をやられてのびた大型幻獣らに進路を塞がれ、デーモン以下中型、小型幻獣が体液を撒き散らしながら右往左往している。
草千里ヶ浜を進攻していた大群は、完全に統率を失い、個々に敵を探し彷徨うか、怯え、逃げ惑っていた。

そんな滑稽な様子を、遠く山中の神社に身を潜めながら西洋型士魂号は見下ろす。
左腕を肩から失い、装甲のほとんどが破損。髑髏の面の角と、右手に握っていた大太刀もぽっきり折れてしまっていた。
折れた大太刀を地面に突き立て、西洋型は器用にあぐらをかいた。

「やれやれ……これじゃ壬生屋の嬢さんに怒られちまうな」

少なくとも100か200はやったか。
増してその数字よりも、敵の戦意を削ぎ、既に敵なしと出てきた大型幻獣を利用し、足止めをかませたことが大きい。

しかし残った右肩に飛び乗った老猫は、不満そうにヒゲを歪める。

(もうバテたのか。せめて300は狩ってこんか)

「おい、俺の肩に乗っても絶技は使えんぞ。速水達のとこへ行ってやれ」

しっしと、手で追い払う。

(向こうはスキピオ将軍とペンギン神族に任せてある。負けはない)

「そうかい。ま、茜の指揮でとんでもないことに、なってなけりゃいいが」

(そもそもお前は、わしが起爆装置を持った敵を事前に狩らなければ)

「はいはい分かってますって。俺が戦えたのは、おっさんが年甲斐もなくはしゃいだおかげですよ」

と、言い合っていると、老いたデブ猫以外に、リスのような生き物が西洋型にたかってきた。
ぴょんぴょんと、まるで踊っているようだ。

「おっとこいつは……どうやらこっちにも、増援が到着したようだ」

西洋型が、よっこらしょと腰を上げる。

「俺達年寄りは、ここらでトンズラこくかね」





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