過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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42:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:38:35.52 ID:08xPns3X0

知性体の名を呼び、立ち止まる滝川機。

「なにしてるんだ! 早く走れ!」

「悪ぃ……先行っててくれよ」

腰に装着したままのジャイアントアサルトを抜いた。

「こいつは、俺がやる……!」

アサルトの引き金を引く。一つ目カラスは高く飛び上がって銃弾をかわした。

「ちっくしょう! 逃げるな!」

真下まで接近しようと走る滝川二番機に、一つ目カラスが胴体のヴァンパイアバットをはがし、そこに寄生したコボルト型レーザー発射眼を露出させた。

「しまっ」

赤い閃光が走る。

「危ないっ滝川!」

二番機は衝撃と共に地面に伏せた。
その二番機に体当たりをした三番機は、右肩を貫かれ、白いたんぱく燃料を滴らせている。

「速水っ、お前」

「無事……みたいだね。早く行って。仇は、僕が討つから」

言葉を返す暇なく一つ目カラスが飛来してくる。

「来るぞ! 厚志!」

「そこだっ!」

ジャンプし、敵の鋭い鉤爪をかわす。そして空中で反転。カラスの背に向け左手を構えた。
肩には、大きな老猫が。

「いっけぇえ!」

一瞬紋様が浮かび上がり、白い光の束が撃ち出された。
カラスの体を構築していた黒い小型幻獣の群れが掻き消えていく。

「ちっ……精霊手でも倒しきれんか」

着地した三番機が、飛び上がった一つ目の骨だけ鳥……サイクロプスを見上げる。

「小型幻獣の群れが盾になって、その隙にかわされたんだ。次はないよ」

「なれど同じ手を二度食わんのは、向こうもだぞ」

サイクロプスは高度を高く維持したまま、生体ミサイルの発射体勢に入った。
撃ち合いになれば、空を素早く飛び回れる敵が有利だ。

「発射の瞬間を狙って、ミサイルごと掻き消す……!」

左手を宙へと構える。
タイミングを少しでも誤れば、回避もできずやられるのはこちら。
危険だが、しかし、できると信じていた。

実際、そのぐらいできぬはずはなかったろう。
地面が、ぐらりと揺れ動かなければ。

「ぅあっ! なんっ」

「幻獣……! 幻獣だ!」

地中から山のように巨大な幻獣が、地面を突き破って現れたのだ。

「こいつっ!」

精霊手を真下に向かい放つ。
真上にレーザーを放とうとしていた大型幻獣は瞬く間に光に呑まれた。
だが上空からの生体ミサイルに対応は間に合わない。

着弾。
士魂号三番機は、敵幻獣生体ミサイルの直撃を受けた。






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