過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:01:20.46 ID:08xPns3X0

しかし茜は、こちらもやっぱりねと言わんがばかり、また髪をかき上げ不敵に笑う。

「なら、こうしよう。……その門ってのを、壊す」

カーミラがぎょっと目を丸くして、それから嫌悪の眼差しがより深く憎悪に変化した。
それに気づいてか、それとも気づかずか、茜は続ける。

「どうせ敗北して、戦力の補充ポイントをむざむざ敵にくれてやるくらいなら、壊してしまえばいいんだ。そうすれば、敵は勝っても最大の目的を達成できなくなる。無駄足かかせてやれるのさ。骨折り損のくたびれ儲けってやつ」

「なにをっ」

「僕は茜に賛成。もしかしたら、門がなくなったと知れば、敵も無駄な戦力の消耗を恐れて侵攻を断念するかも」

カーミラが何か叫ぼうとした瞬間、それまで黙って聞いていた厚志の声が割り込んだ。

「しかし、物理的な破壊が有効なのか? 仕組みも使い方も分かっていないのだろう?」

それに舞も乗った。
カーミラだけが、両の拳を握り、唇を噛んで震えている。

「核ならどうかな」

「なに……?」

「善行さんが言ってたろ? ワシントン政府の……オレンジ計画ってやつ。カーミラ軍と共闘したら日本を幻獣側についたとみなし、核攻撃を仕掛ける。……その核をいただいちゃうのさ」

確かに、オレンジ計画が発動されることが前提ならば、自衛軍も参戦できる。

「でも、どうやって? 爆撃機で落としに来るんだよね?」

「カーミラが青スキュラで上空から接近、パイロットを精神操作するってのはどうだい?」

「ふむ……できるか、カーミ」

「ふざけないで!」

舞の言葉を切り、カーミラは紅潮した顔で叫んだ。

「門は……ただの戦力の補充ポイントじゃない……。私達が、最後の望みをかけて渡った、希望の橋なのよ。それをっ」

「ふぅん、あなた、まだ侵略する気満々なんだ」

振り返ると、整備班長の原素子が冷たい視線を浴びせていた。
手には、整備用大型カッター。




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