過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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161:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 16:08:16.35 ID:2DS7LchxP

 別にツバキは、カガリのことをぞんざいに思っているわけではなかった。

 むしろ深く愛し、心から幸せを願っていた。


 ただ、『優先度』が低かったのだ。


 ツバキにとってカガリは、

 『魔法少女になんかならなくても幸せになれる子』で『自分がいなくても大丈夫な子』だった。

 だからどうしても、自分以外に身寄りのないスズネや、生まれつき盲目であるマツリを優先してしまっていた。


「自分がいなくても大丈夫」


 それは全てツバキの中で自己完結した思い上がりだった。

 もっと言うなら、人間とは違う社会に生きる魔法少女がよく陥る思い込みだった。


 魔法少女の心情なんて知ったことではないカガリからしてみれば、

 母親のように慕っていた人物からいきなり見捨てられただけだった。

 自分の人生の中で大きなウエイトを占めていた人物が、何も告げずにいきなり消滅しただけだった。


 狭くて深いカガリの世界は、真っ二つに引き裂かれた。




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