過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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30:名無しNIPPER[saga]
2015/11/21(土) 21:55:48.40 ID:02MC1cTgP


 美国邸、客間。



 「美味しい茶葉が送られてきた」ということで、織莉子は小巻を招いてお茶会を開いていた。

 数週間前までは、廃墟と見間違うほどに酷く荒廃していたこの屋敷だったが。

 織莉子の精神的な快復と比例するように改修され、今や財界人でも住んでいるかのような整然っぷりである。


 織莉子はコトリ、と紅茶を置く。

 その動きはとても様になっていて、令嬢の面影を感じるには十分だ。

 反面、現在進行形でお嬢様であるはずの小巻の飲み方は、ギクシャクとしていて酷いものである。

『お茶』と聞いたら、真っ先にペットボトルに入ったものを想起するような食生活を送っているのだろう。



織莉子「さて、本題に入ってもいいかしら」


小巻「本題・・・?」



 織莉子の瞳が鋭くなる。

 その瞳の奥には、確固たる意思と謀略の灯がちらついていた。



織莉子「数日前、見滝原に住んでいる数名の魔法少女と同時に連絡が付かなくなった。

     私の魔法で軽く探査してみたけれど、見滝原で活動する魔法少女は・・・一人も見つけることができなかった」



 しかし運命とはなんと逃れがたきものか。

 何れの世界においても、美国織莉子はすべからく『暗躍する』という星の下に生きているようだ。



小巻「連絡が付かなくなったって・・・」


織莉子「複数の魔法少女が連鎖的に円環の理に導かれたとは考え難い。

     あり得る可能性は『強力な魔獣との戦いで全員討ち死にした』か、あるいは」


織莉子「『暗殺された』」


小巻「あ、暗殺・・・!?」



 小巻の顔から血の気が引く。

 小巻が魔法少女になった頃には既に風魔協の前身が発足していたゆえに、小巻は『魔法少女同士の縄張り争い』を経験したことがなかった。



織莉子「グリーフシードの独占を狙った犯行、魔法少女に恨みを持つ者の私怨。動機ならいくらでも考えられるわ」


小巻「冗談でしょ!? いくら相手が魔法少女だからって人殺しだなんて・・・!!」


織莉子「あくまで私の推理を述べただけよ、詳しいことは何もわかってないの」




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