過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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412:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:52:21.20 ID:R7HNRDEQP

 さやかの魔法少女の契約によって腕が完治し、学生音楽界に復帰した上条 恭介だったが。

 彼の前には息つく間もなく、新たな壁が立ちはだかった。

 恭介は天城 真人というライバルにぶち当たり、そして完膚なきまでに玉砕していたのだ。



 天城 真人。

 彼の名誉のために一応補足しておくと、

 (少なくとも直接的には)彼の実力に、魔法少女の奇跡は一切関与していない。



 彼は人間としての力だけで、上条 恭介を超越せしめた『本物』だったのだ。


 家柄と魔法で虚飾された上条 恭介に、彼は実直にも正面から立ち向かい、そして堂々と勝った。

 いや音楽の世界に勝ち負けの線引きなど、明確には存在しないのだけれど。

 少なくとも「天城の音色の方が好きだ」という人間が多かったのだ。

 奇跡や魔法になんか頼らなくても、

 元より優れた演奏家には人の心を動かす力があっということを、彼は証明して見せた。


 上条 恭介の夢は、ここで折れた。

 全力を出し切ってなお、骨も残さぬ完全燃焼で敗北した。

 以降、彼がバイオリンに傾倒する時間は、日に日に少なくなっていくことになる。



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