過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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496:名無しNIPPER[sage]
2016/10/25(火) 22:55:22.36 ID:2uDGS4b5P


 ――


 織莉子がシイラへ敗北宣言をしたのとほぼ同時刻。

 使い走りのキュゥべえが、マツリに一通の手紙と簡単な地図を渡した。



「マツリへ。

 ○月○日の午後1時、○○の場所にて待っています。

 誰にも言わずに一人で来てね」



 マツリは添えられた地図に従って歩いていくと。

 いつの間にか風景は、錆び付いた街灯の生える不気味な荒廃都市へと変わり、

 肌に纏わりつくような黒い霧が周囲に立ち込めていた。


 もちろん近代都市である見滝原市にそんなホラースポットが存在するわけがないので、

 知らず知らずの内にマツリはカガリのトバリの内部へ誘い込まれたことになる。



マツリ「・・・」



 摩天楼のように不気味に聳える巨大な洋館の前で、マツリは佇んだ。



マツリ「ここ、だよね・・・」



 マツリは瞳を閉じると、その感応の力を発動する。



『いらっしゃい、いらっしゃい、早くこっちへいらっしゃい、私の可愛いマツリちゃん』



 囀るようなカガリの歌が聞こえた。

 呼んでいる。

 カガリはこの洋館の内部で、自分を呼んでいる。


 マツリは意を決し、太い鉄格子でできた門を押した。

 鍵は掛かっていなかった。



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