過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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名無しNIPPER
[saga]
2017/02/16(木) 23:32:03.27 ID:th4wfa/oP
詢子はグラスを持って立ち上がると。
パタンと、冷蔵庫の扉を開ける。
詢子「恋ってのは、好きとか嫌いとか。そんな物差しだけで考えられるほど、単純なもんじゃないってことさ」
冷凍庫から氷を2つ取り出して、新たにグラスに落とした。
詢子「好きな奴を嫌いになったり、嫌いな奴が実は一番必要な相手だったり。そんなことばっかりだよ」
詢子は冷蔵庫の扉を閉めると、天井を仰いだ。
詢子「私にはやりたいこともあったし、他に好きな人もいないわけでもなかった」
詢子「でもそういう夢とかを捨てて、結局パパと結婚した。わかんないもんだな、人生」
どこか哀愁の漂う詢子の背を見つめ、少女は息を飲んだ。
少女は母親でない、一人の人間である詢子を、初めて見たような気がした。
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