過去ログ - 男「いじめて、ごめんなさい」後輩「…」
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2:名無しNIPPER
2015/11/04(水) 01:45:52.71 ID:Cc7q5+eAO
夢にまでみた寮生活。
某大阪の刑務所より酷いと噂の寮とは違い、ここの寮は楽なもんだよ、先輩の奴隷にされなくてもいいからと言われそれを鵜呑みにしていたその時の僕は馬鹿だった。

いざ入ってみると結局怖い先輩の機嫌を伺わなければいけなかった。
1年全員で先輩方の服の洗濯をし、朝は必ず先輩方より早く起きて掃除トンボがけ 先輩の配膳を行い、命令には絶対。
以下略



3:名無しNIPPER
2015/11/04(水) 01:52:03.66 ID:Cc7q5+eAO
逆らえるわけはないが、納得できない悶々とした物を心に抱えていた。

そんな僕の思考は行動に出ていたのだろうか、先輩方はそんな僕に対し、生意気だとかなんだと難癖を付け、暴力という名の教育をしだした。

暴力を振るわれてもありがとうございましたと言わなきゃいけない狂った世界観だった。
以下略



4:名無しNIPPER
2015/11/04(水) 02:04:58.80 ID:Cc7q5+eAO
毎日当然のように痛みや傷が身体上に重なっていった。
同期たちは、僕と同じように傷つくものもいれば 可愛がられて何一つ先輩方から教育されないような奴もいた。
奴らは「もっとうまいことやれよな…」だなんていうけど、そもそもそのうまいことやる方法がわからないんだからどうすることもできないのだ。
「やめずに頑張れよ!」だなんて薄っぺらい言葉を投げ掛けられても 心のどこにそれを引っ掛ければいいのかもわからなかった。


5:名無しNIPPER
2015/11/05(木) 23:33:52.63 ID:PXa+MRrAO
野球が好きだから、野球をしたかっただけなのに 、先輩の世話に時間を取られる。
夜、たまに練習に付き合わされるもただの雑用で結局自分の身になることはできずで。
結局睡眠時間を削らないと夜に練習することもできなかった。それでも僕は頑張った。

身体が壊れそうなくらいバットを振った、そうしないと自分が何のためにここにきたのかわからなくなってしまうから、気が狂ってしまいそうになるから。
以下略



6:名無しNIPPER
2015/11/05(木) 23:44:41.52 ID:PXa+MRrAO
3年が引退するまで長かった。
時期的には3ヶ月か4ヶ月程度だったが、永遠に思える程長く、まさに地獄であった。
暴力や罵倒は毎日受けていたが、毎日受けていてもその痛みに慣れることはなく、傷が上書きされていくだけで、僕はもう心を殺そうとしていた。
心を殺せば、何も感じなくなる。感情もなく、ただ痛みを受け入れるだけのロボットになれる。そうなるとどれほど楽かとずっと考えていた。

以下略



7:名無しNIPPER
2015/11/05(木) 23:53:38.58 ID:PXa+MRrAO
もっともストレスの大部分は2年の老害共が原因なので、3年がいなくなるからといって楽観的に考えることはやめた。

僕は野球をする機械なのだ。練習をし、理不尽に先輩から殴られ罵倒されながらもひたすら練習をした。
慣れるしかないのだ、何かを求めるわけでもなく、ただ痛みに慣れるために 痛みから逃げるために 野球の練習をする。これで良かったのに。

以下略



8:名無しNIPPER
2015/11/09(月) 02:01:46.58 ID:tbPP4N2AO
姿を見せたのは、3年の青木主将だった。

「こんばんは!」

悲しき習慣で意識せずとも背筋が伸び、大きな声が出た。
以下略



9:名無しNIPPER
2015/11/09(月) 02:22:19.01 ID:tbPP4N2AO
「え?…」

「練習。1人で素振りしてんの?」

青木主将は真顔でボソッと言い捨てた。
以下略



10:名無しNIPPER
2015/11/09(月) 21:44:42.44 ID:tbPP4N2AO
たったこれだけの話だった。そのあと、練習した後は特に二人で話することもなく終わった。
だが、これだけの事でも僕の心を大きく占めた。3年の中でもトップの青木主将に誉められたのは何よりも誇りに思えることなのだから。
この次の日くらいに3年は本格的に引退し、青木主将はもちろん3年皆がいなくなった、家が遠い人は卒業まで寮にいる人も何人かはいたが、それでも雑用等の仕事は大分量的に少なくなっていき楽になった。。
もちろん3年が引退したからと言って2年が僕ら一年への態度を軟化させることはなく、教育は続いた。

以下略



11:名無しNIPPER
2015/11/09(月) 21:57:14.50 ID:tbPP4N2AO
そして、 八番ファーストで僕の名前が呼ばれた。嬉しかった、嬉しかったのだがそれ以上に嬉しかったのは僕の名前が呼ばれた時 さっきの同期と違い場がざわざわしなかったのだ。
まるで僕が呼ばれることは想定の範囲内といわんばかりの空気だった、それが嬉しかった。僕の努力が認められていたようで もっともこの時の認識は大きく間違えていたのだが。



12:名無しNIPPER[sage]
2015/11/10(火) 15:41:16.81 ID:pKYHW1C50
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