13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 18:13:47.55 ID:6LZx9kqto
そこに映っていたのは、隈を浮かべたPさんと汗を浮かべた私。
お互いほっぺたがくっつくぐらいに寄って、白い歯を見せるように笑っています。
「何でこんな寄ってるんだっけ」
「えーと……確かカメラの関係じゃありませんでした?」
「あー、そうだそうだ。すぐ撮ろうってなったけど使い捨てしかなくて」
写真というのは面白い物で。
フィルムに焼き付けた部分以外に、映っていない部分も思い出させてくれるんです。
シャッターを切った瞬間のドキドキや、その当時の温度に匂い。
アルバムって、ひょっとしたら記録じゃなくて記憶の事なのかも。
「あの時のPさんは面白かったです」
「え、ひょっとして普段の俺面白くない?」
「そこそこですね」
「そこそこか」
「はい」
「褒められてるよね」
「これ撮ってくれたのって、確か……」
「藍子」
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