35:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 22:53:26.60 ID:6LZx9kqto
けれど、たまに見つけてもらえない時もあって。
『あれー? 藍子ちゃんいたー?』
『ううんー。いないよー?』
『そのうちおりてくるよー。さきにサッカーしよーぜー』
『えー! おとこのこっていっつもそう!』
飽きっぽい男の子なんかは、私が出てくるのを待たずに駆け出していったり。
仕方の無い事なのかもしれませんが、やっぱり私はそれが悲しくて。
意固地になって、見つけられるまで出てやるもんかと木の上にじっとしている事もありました。
夕方も遅くなって、一人、またひとりと帰って行って。
私はみんなだけじゃなくて、世界にまで忘れられているんじゃないかと思う頃。
「――藍子、みーつけた!」
その頃には決まってあの子が。
泥だらけになって、私のヒーローが見つけ出してくれたんです。
『あー! 藍子ちゃんいたーっ!』
「ばーか。いたんじゃなくてオレがみつけたの! もっとよくさがせよなー」
そう言って私の頭をぐしぐしと撫でて、私を輪の中へ放り込むんです。
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