過去ログ - 勇者「デブと一緒に旅に出ることになった」
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124: ◆LsZ4kFgXss[saga]
2016/01/04(月) 22:32:51.83 ID:RQiSXbJhO
上空から俯瞰すれば一目瞭然なのだが、エルフの里には湯畑が広がっている。
地中より湧き出す湯の温度はおよそ100℃。
そのまま温泉施設に引いてしまっては大変なことになるので、木樋に流し適温まで冷ます必要がある。
年季の入った木樋を眺めながら、勇者は魔王討伐が済んだら、皆を集めここで流しそうめんでもしようかと考えた。
いつになくソラトがはしゃいでいる。
柵から身を乗り出し、満面の笑みの笑みでしきりに勇者の方を振り向きながら。

ソラト「圧巻だよね、この景色! 生まれてこのかた18年、こんなに長い樋なんて見たことないわ! 流しそうめんできそうね!」

勇者「奇遇だな、俺も同じ思いだ」

ソラト「魔王討伐が終わったら、みんなでしましょうよ。きっと美味しいわよ」

女騎士「皇妃様、それはなりません。この水には毒が含まれております。腐った卵の如き臭いが証拠です。さらに」

女騎士「水の流れが速すぎますし、終わりが滝になっております。結局熱湯を浴びるだけの、最悪の宴となるでしょう」

ソラト「女騎士さんにはロマンがないのね。それから、皇妃様って呼ぶのやめなさい」

女騎士「何故ですか」

ソラト「あたしは地位も何もかも捨てて、勇者についてきた。肥満児やハゲも同じよ。だから、過去の話を思い出させるような呼び方はしないで」

女騎士「帝都を奪還すれば陛下は皇帝の座に戻られます。その時、ソラト様も皇妃として後宮入りせねばなりません」

ソラト「あたしは皇妃じゃない」

女騎士「皇妃様には陛下を支え、元気な御子を産む仕事があります」

ソラト「もういい、黙って」

ソラト「聞き飽きたから、そういうの」

女騎士「お言葉ですが、あなた様の義務はまだ続いております。それを途中で放棄するのは、陛下ひいてはヤグラカル帝国を裏切ることになります。どう責任を取られるおつもりですか?」

ソラト「黙れって言ってるでしょ。分かんないの? 義務だの責任だの、どうして避暑地に来てまでそんなこと考えなきゃなんないのよ。もういい加減にして!」

女騎士「しかし」

ソラト「ほら勇者、いくわよ。聞き込み調査するんでしょ、ボサッとしてないで少しは動いたらどうなのよ」グイ

勇者「皇妃も大変なんだな。皇帝の横に座してるだけの存在と思ってたけど」

ソラト「あの女の発言は全部忘れて。あたしは弓師ソラト。それでは駄目かしら?」

勇者「俺はお前を皇妃だなんて、微塵も思っちゃいねぇよ」

ソラト「本当? 約束だからね?」

勇者「ああ勿論さ。大体、こんな小うるさいババアをどこの誰が娶るんだっブグォ」ドゴッ

ソラト「あんたにだけは絶対嫁ぎたくないわ」



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