過去ログ - 【ゆるゆり】BAR Funamiの日常
1- 20
43:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/09(月) 01:06:56.28 ID:Ms5wpsxYo
<夜>


京子「じゃーねーマスター、またくるね〜♪」カランコロン

結衣「はいはい……」


りせ「…………」さっ


ちょっとよたつきながら店から出てきたターゲットの姿を確認。ほどよく酒が回り、なにやらご機嫌な様子。


歳納京子への一番最初の接近法は、私も一番得意とする尾行にすることにしました。なんせ今回は背後関係がつかめないため、周囲の人からの聞き込みと言うものができないのです。

それならまずは、と住所の調査をはじめます。住所調査も依頼人の内容のひとつだし、近隣の住人に話しを伺うことは大きな手がかりになります。


深夜ということもあって、尾行は楽に行きそうです。ここからヒントを掴んで一気に調査を進め、先生が帰ってくる前に全てを解決する……なかなか重要な局面には違いありません。


京子「ふーんふーん♪」るんるん

りせ「…………」


気楽に鼻歌を歌いながら、夜の住宅街を大手を振って歩く京子さん。見た目はとても美人なのに、その振る舞いはなんというか……おおらかです。


しばらく歩きながら、高級住宅街エリアに来ました。

このあたりは家の塀が高く、道が直線的に仕切られているので隠れられる場所が少ないです。酔っ払っているとはいえ、後ろからとことこ歩いていてはいけません。京子さんとの距離は離れますが、曲がり角に身を潜めながら追跡することにしました。

京子さんはこのあたりに家があるのでしょうか。だとしたらそこそこお嬢様だと思います。彼女にどことなくただよう気品も、生まれ育ちから来る物なのでしょうか……

そんなことを考えながら、京子さんが十字路を曲がるのを確認しました。音を立てずに近づいて、曲がり角からこっそり姿を確認しようとしたとき……


りせ「!?」



―――いない。


そこに、京子さんの姿はありませんでした。


慌てて四方を見渡します。闇になれた目は50m以上先まで見渡せるのに、どの方角を見ても京子さんの姿はありません。

隠れられそうな物陰もこのあたりにはありません。近隣の高級住宅街はどれも高い塀に囲まれています。当然ながら、京子さんが曲がった先に家の玄関らしきものはありません。


……どこに消えた……!?


京子さんが曲がり角に消えたところから、私がその曲がり角に到達するまで、15秒となかったはずです。

この15秒の間に、この無機質な高級住宅街から姿を消した京子さん。彼女が帰宅したとは思えません……その後近隣の家を調べて見ましたが、歳納という表札は見つかりませんでした。


……考えたくありませんが、尾行がバレてしまい意図的に撒かれたのだと思われます。酔っ払ってふらふらしていた京子さんでしたが、甘く見すぎていたようです……やはり只者ではありませんでした。

収穫、ゼロ。あんなに張り切っていたのに見事に失敗……とても落ち込んでしまいました。こんなことでは先生の片腕どころか、お荷物になってしまいます……


でもまだ時間はあります。気をとり直して私は事務所へと帰りました。明日こそは……必ず彼女の手がかりを掴んでみせる。

帰ってからも私は、高級住宅街あたりの立地について調べました。明日もバーは営業するし、彼女が来るのは夜のはず。昼間に住宅街で聞き込みをしてみるのもいいでしょう。そんなことを考えながら、私は先生がいつも使っているソファで眠りに落ちていきました。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
116Res/196.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice