過去ログ - 【デレマス】オン・ザ・ストリート・コーナー【鎧武】
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52: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/11/19(木) 02:38:20.27 ID:QAlcNWMs0
「そんな…そんなことって…」

「事情を知らないアザミさんが嘘を言ってるとは思えない。だから多分真実だと思う。
 でも、これは沙紀を守るためにあえてやったことだから、本人も納得してるハズ。
 今まで知らなかったこと自体が、ザックって人の優しさなんだよ」

「それは、そうっすけど…」

沙紀の落ち込みようを考えれば、今この場で話すのは普通なら得策ではなかっただろう。
だが、この手の「優しい嘘」は、バレるタイミング次第で人間関係に致命的なこじれを起こしかねない。
2歳とはいえ沙紀より年上の伊吹が身を以ている事実だからこそ、見過ごせなかった。

ただ、タイミングが悪かった。
パフォーマンスステージを終えた『チームバロン・コア』の姿が、モニターに映る。
彼らの向かうステージ袖に潜む何かを、目の良さを自認する沙紀は捉えてしまっていた。

(あれは…昨日のあの視線の!!)

『黒陣羽』。
彼らの競技順は、本来『アーティスター』の直前にあたる7番目である。
しかし、黒いパーカーは確実にそこに見えた。
まるでザックを待ち構えるかのように…。

「沙紀!?」

「アイツら、ザックを狙ってるヤツなんすよ!昨日も死角を選んでずっとザックとアタシを見ていた!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて沙紀!」

「それに伊吹さんの推論通りなら、今も絶対に兄ちゃんはまた無理してくる!」

自分の論から出た以上、その言葉には反論できなかった。
たしかに沙紀の言うような危険があるとしたら、ザックの取る行動への危惧はおかしくない。
だが危険が本当にあるのかもわからないし、今行かせれば競技にも番組にも影響が出る。
だからこそ、伊吹は羽交い締めにして沙紀を止めざるを得なかった。


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