過去ログ - 京太郎「とにかく愛でてみたい、そう思ったんだ」
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89: ◆vhelXX7kUw[saga]
2015/11/20(金) 11:15:31.38 ID:aN7EDTmb0
これが、始まりでした。
私は何の気なく、京太郎くんにアドバイスをしたつもりでした。
それが、京太郎くんのためになると、そう信じて。
次に京太郎くんが姿を見せたのは、一週間後でした。
疲弊してるような、どうしたらいいのかわからないような、そんな印象を受け、私は少し心配になりました。
ですが、事情を聴いて、苦笑してしまいます。

ハギヨシ「なるほど…宮永さんと片岡さん、それに染谷さんにもそんなことを…」

京太郎「愛でるって難しいです、ハギヨシさん。俺、上手くやってるつもりだったのに…」

ハギヨシ「話を聞いた限りでは、そうですね…愛でるというより、なんでしょう…口説くというほうが正しい気がします」

京太郎「カピーに接するように接したんですが…」

ハギヨシ「私の表現がまずかったですね。それではええと…そうだ、では自分を演じてみるのはいかがでしょう?」

京太郎「……自分を、演じる…?」

ハギヨシ「相手を女性とは思わず…そうですね……そうだ、家族とか、そういうものだと認識する、とか」

京太郎「ううん…ちょっと難しい感じですねぇ……」

ハギヨシ「大丈夫です、私と練習しましょう。数少ない友人の悩みですから、できうる限りの協力をさせていただきますよ」

京太郎「は、ハギヨシさん…!」

ハギヨシ「付け焼き刃ですが、京太郎くんならできます。それでは早速練習しましょう」

私は京太郎くんに演技指導…心の底からそう思えるように、練習をしました。
最終的に京太郎くんが私のことを「兄貴」と呼ぶまでに至り、ひと段落しました。
後遺症としてその後たまに私のことを本当の兄と思うようになることがありますが、それはそれで個人的には嬉しいことですので、おいておくことにしました。
あの時の笑顔を見ると、今度こそ上手くいく、とそう思ったのです。
その希望も、さらに一週間後には砕かれることになりました。


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